私は勇者王ガオガイガーが大好きでした
私は勇者王ガオガイガー(TV版)が大好きである.ご存じ勇者王ガオガイガーは勇者シリーズの最後の作品で,パウリ排他律がどうだとかこうだとか小さなお子様を完全に置いてけぼりにした名作.合体中は敵が攻撃してこないというセオリーを根本から崩した最初(で最後)の作品です.
全体的に大変暑苦しいアニメでして,「成功率は…○○パーセントしかありませんッ!!!!*1」⇒ 「足りない部分は勇気で補えばいい!! (合体)承認!!」 ⇒ 「(勝った後に)それでこそ勇者だ!」というちょうワンパターンな流れを基本としておりますが,後半は熱すぎて結構泣ける.わたしも木星編だとか最終回あたりは,手に汗握りつつハンカチ3枚ご用意したわけです.
さて,そんな我らが勇者王ガオガイガーですが,OVAやら続編やらなにやら知らないのですが,ガオガイガーFAINALとやらを作ったらしいのです.ずいぶん昔から知っていたのですが,今の今までみることはありませんでした.
FINAL見てみた
結論からいいますと,全部,倍速で見た.
なんというか,これは,勇者王ガオガイガーじゃない.なんなのよ この薄っぺらい勇気だとか誓いだとかは.熱さもTV版に比べると全然無い.正確に言うと,所々燃えるシーンはあるけれど,ほとんど声優のおかげだしTV版のオマージュみたいなもんだってのもあって全然連鎖しないんだ.ガオファーとかかっこわるいし,ジェネシックガオガイガーもべつにかっこよくはなかった.なによりジェネシックガオガイガーの合体シーンがチープすぎ.ドリルガオー? とか ライナーガオーもどきが連結されるときのメカニカルロックがしょぼい(私はボルフォッグ声の「パーフェクトロック」が好きだ.) ファイナルフュージョン時にガイガーの下半身だけがぐるぐる回ってるのは意味不明だった….
あと,命*2が軽すぎる.TV版だと,1話完結型の場合は「ほのぼの」→「敵が出てきてマモルが気づく」→「思わぬ敵の作戦にはまる」→「新兵器 or 新キャラ or 機転 + 勇気で勝利!」→「わっはぁ!」だし,ストーリーの要所では「敵の一斉攻撃」→「全員で戦っても勝てそうにない!」→「それなりの犠牲で勇者復活」→「勝利!」→「犠牲者も時々生きてたりするので割と大団円」だった.たまに犠牲者出るけど,十分そのキャラクターを取り上げた話構成だった.話の要所要所では,キャラが一致団結・それぞれを信じているシーンが強調されていたのもポイント高い.ストーリーも暑苦しいほどに明快だった.仲間を疑うとか基本的にないしね.
しかし,FINALは違う.そういうのは全くない.敵もほとんど不死身だ.基本的に勝てない.最強兵器を手に入れてちょっと有利になったけど,実は敵は不死身と分かる.善戦してもやられる.なぜか勇者軍団が復活したりするけど,やっぱりまたやられる.物語の最後らへんで突然敵の弱点に気づき,撃破(最初から気づいていたけど言ってなかっただけーみたいな演出がまたクソ.) しかも最後は大団円じゃあない.
まあ,最後の大団円はいいや.私はダンバインみたいな全員死ぬってストーリーも嫌いじゃない.ストーリーとしてはアリなんだよ.ただ,無意味に敵が強すぎてキャラとか死んじゃったりするわりに,ほとんど思いつきの演出で勝利をつかむとかだし,各場面のつながりもちぐはぐしすぎ.Jとルネがラブラブ石破天驚拳を使うのもまた意味がわからないし,なぜ他の作品キャラを無理矢理出したりするんだろう.はっきり言って演出がクソだ.