ベルナンバー続き

id:Hie:20060219で同値関係の総数のお話を書きました.答えも書いたのですが,なんでそうなんねん!って声が聞こえてきたので,一応.

Rを有限集合X上の同値関係とし,その商集合を X/Rとするとしましょう.このときf:X\rightarrow X/Rを考えます.

同値関係をとると,その同値類は直和分割の形になっています*1.そこで,Xの要素を同値類に飛ばす写像f全射(surjection)になっていると考えます.何故全射かというと,やりたいことはXの要素を同値類に振り分けたいわけるということなのだから,すべての同値類に対して,写像fにより振り分けられてくるX上の要素が存在しないとおかしいから.
とまぁ,ここで, F(n,k) = |\{f | f:X\rightarrow X/R \quad \wedge \quad f:\quad \mbox{surjection}\}|(ただし,n=|X|, k=|X/R|)としておきましょう.

ところで,全射の総数を考えた場合,どの同値類に振り分けられたか,ということも勘定されます.ちょっとわかりにくいですね.たとえばある写像のパターンにより,X上のx_1,x_2,x_3が同じ同値類yに飛ばされるとしましょう.次のパターンでは,x_1,x_2,x_3が先ほどとは違うけれども,やっぱり同値類zに飛ばされたとしましょう.ただ全射の総数というと,前者と後者はキッチリとカウントされてしまうのです.ところがどっこい,今回の問題では,同じグループ(同値類)になってくれれば,それだけで1パターンこっきり.要するに順序(?)はないわけです.というわけでして,写像fによって飛ばされる先のグループ(同値類)の数がk個なのだとしたら,同値関係のパターンは
\displaystyle{\frac{F(n,k)}{k!}}
k!は順序はどうでもいいからつきました.

で,kは1からnまでとりうるわけで,その総和をとると,(全射の総数F(n,k)の一般式を知っていれば)
\displaystyle{\sum_{k=1}^n~\frac{F(n,k)}{k!}}\qquad,\qquad\qquad~\displaystyle{F(n,~k)~=~\sum_{i=1}^k~(-1)^{k-i}~{k~\choose~i}i^n}
と書けるとわかるわけですね.

お絵かきなしで説明すると難しいな〜.

*1:つまり,X/R=同値類の集合となっていて,同値類すべての積集合は空,かつ和集合はXそのもの.