悪性リンパ腫の一種であるホジキンリンパ腫は,標準治療である ABVD 療法がよく効くため,一般的に体力のある若者がそう簡単に死んだりはしない.というわけで,一度目は概ね寛解(がんが見た目上消失すること)に向かう.
その後3年以上再発が確認されなければ,ほぼ今後の再発はないと統計的に知られている.
しかしながら,一度目の寛解の後,早い段階で再発した場合は,厄介なことになる.
再発で ABVD 療法は使えないかも知れない
まず,有効である ABVD 療法に頼れなくなること.これは,(1) 再発した(=前回の治療で殺し損ねた)がんは ABVD に耐えたがんであるため,再発したがん細胞は ABVD に対してある程度耐性をもっていると言えること.つぎに,(2) ABVD で使われる抗がん剤は心臓に強い負担を与えることが知られていて,人生で使える回数に制限があるため.
ABVD を初回治療で十分に使ってしまった場合は,CHASE 療法に切り替えることが多いようだ.
再度寛解させた後,自己幹細胞移植療法を実施する
再発の場合は,概ね,CHASE 療法で,再度寛解を目指す.
しかし,再発のときは寛解後に自己幹細胞移植療法をすることが標準治療である.これで予後がある程度よくなるらしい.
再発をするということは,既に自身の血液系統が完全に侵されてると思われるため,血液を作るための最低限の「自己幹細胞」だけを保存しておき,その他の血液系を LEED などの抗がん剤療法で完全に殺してしまい,その後自己幹細胞を戻して,きれいな血液を作り直そうというやり方.
ということで,CHASE で寛解させた後は,自己幹細胞を取り出しつつ,LEED 療法で自身の免疫系をリセット,その後自己幹細胞を再移植する.
ぶっちゃけ再発すると予後はよくない
ここまで徹底的にやるのは,そうしないとすぐに再発しちゃうから.つまり,裏を返せば予後は悪い.
初回でなんとか完治したいものだね.再発の抗がん剤治療はつらいようだし.
大変参考になった
とくに,子供がほしいぼくからすると,興味深いのは下記.