軍師官兵衛

撮りためたかんべーですが,嫁が入院している合間に追いつきました.
うっわー半兵衛いやなやつ.でも,歴史考証とか演出とかウンコな印象ですが,ホームドラマとしてはいいんじゃね?

ところで,おねが信長に痴話喧嘩を仲裁するための手紙を書かせるとか,小ネタを仕込んでくるあたりがなんとも言えない感じ.
この話は,1576年頃,信長がおねに宛てた,羽柴秀吉室杉原氏宛消息という現存する手紙が元ネタです.
どうやらおねは本当に信長に愚痴を言ったらしく,その後信長がおね宛てに「マアマア」といった手紙をおくったのがコレ.
この手紙の高野澄*1超訳が面白い.

お土産をいろいろ頂き,夢みたいな美しさ,とうてい言葉にあらわせません.なにかお返しをと思ったが,あなたのお土産があんまり見事なので適当なものが思いつかない.このたびは見合わせることにします.
いつぞやの時より,あなたの容貌は10のものが20にもなったようです.
美しいあなたのことを,藤吉郎の奴めが,なんのかんのと愚痴をこぼしているそうだが,ケシカラン!あんなハゲネズミ野郎が,あなたのような美人を手に入れることは,二度とありえないのだ.
これからは気を明るく,朗らかに持って,かみさまらしく,重々しく振る舞うがよろしい.焼き餅など,けっして焼かぬように.
亭主の世話をするのは女房の役だから,何も言わずに,面倒をみてやってくれ.

これを秀吉に見せる(意見する)ように書き添えてあるという,一風変わった手紙です.
戦国時代の手紙は面白いものが多い.手紙魔の政宗とかね.

*1:高野澄, 織田信長 おもしろ辞典, 新人物往来社, 1988, pp.180-181