史料?の信頼度を見抜くのは難しいようだ

最近思ったこと

先日id:Hie:20070218で,「三条夫人は悪妻というほど悪妻ではなかったのではないか」という見方も強いといったことを書きました.これは,新田次郎武田信玄で三条夫人は鬼のような人と描写されていたため,私が勘違いしてしまったものです.そこで,似たようなものはないかな,考えてみたところ,応仁の乱のころの日野富子も間違って認識してそうな気がしてきました.

日野富子についても間違った(信憑性の薄い)知識を仕入れていた

日野富子足利義政の妻でありますが,義政が政治に関心を寄せないのをいいことに,幕府の権力を利用して金儲けに夢中だったと何かの本で読みました*1が,日野富子 - Wikipediaによると,やっぱりといいますか,そういうことは言えない,だそうな.

巨万の富を築いた悪女・悪妻と評される事もあるが、後世の女性蔑視・商業蔑視の影響を差し引いて考える必要があるだろう。その一方、特に近年ではフェミニズムの影響を受けた女性史家や女流作家によって、実状とかけ離れた有能な女性政治家として表現されることもある。いずれにせよ、公正な評価が難しい人物と言える。

史料? の信頼度

小説だとかマンガだとかを史料というのはもちろん間違いとは思いますが,一般人から見れば歴史に触れる接点となりますので,ある種の史料? と言ってよいかもしれません.(ここでは,これらの娯楽モノも史料? とします.)しかし,甲陽軍鑑*2武功夜話*3三河物語*4といった実際の史料ですら信頼度が低い中,一般人はどうやって"正しい歴史"を勉強すればいいのでしょうか.

その史料? の信頼度はどう決める?

前節で問題提起してみたものの,"正しい歴史"なんて知りようがない,というのが正解なのでしょう.つまらないオチでゴメンナサイ.
しかし,個人的な意見を述べるなら,

  • 興味を持った歴史的事件(人物)ならば,多数の史料(別に小説やマンガだっていい)で複数の角度からその事件を見つめてみる

とよいのではないかと思います.
人によって解釈が大きく異なるときは,そもそもその事件は"よくわかっていない"ということがわかるはずで,致命的に間違った知識を仕入れずにすむと思います.だいたい解釈が同じなら,(現時点では)正史といってよいでしょうしね.

うーむ,当たり前すぎですな.

*1:たぶん,まんが 日本歴史 だったと思います.

*2:武田信玄の一代記.

*3:戦国時代のいろんなお話が入った史料.

*4:徳川家康関連の史料.