知性なき『知性なき「はてな」批判』

http://noon.serio.jp/2007/04/hatena001.html
久しぶりに楽しい評論に出会いました.ありがとうございます.
私は"はてな"とやらをよく知らないのですが*1,"はてな"を運営する技術者が,技術者の知識の凝縮ともいえる技術系の学術書を処分したことに大いに憤りを感じられているようです.私は伊藤直也さんという方を存じ上げませんが,そうですか,"はてな"の偉い技術者様なんですね.なるほどなるほど.
さて,知性なき「はてな」ですが,この人の評論は,非常に高尚すぎて,いったい何を仰りたいのか私には Greek to me なのですが,大きな筋書きは次のようになっているような気がします.

  • はてなコミュニティは愚劣である.
  • はてなの生みの親である伊藤氏も愚劣である.理由は,伊藤氏は部屋の整理のため,技術者の魂ともいうべき技術書を処分し,若干の漫画本のみを残したという事実から,伊藤氏は技術書を読めないと判断できるから.
  • そんな伊藤氏の日記にコメントやトラックバックなどを残すはてなユーザをみると,はてなはただのなれ合い集団にしか見えない.
  • はてな関係者がスターウォーズを見ることでアナロジーに関する共通の意識を持とうとした事実にたいし,スターウォーズを見て喜ぶような人々はちゃんとしたサービスはできない.(本旨からすると,この辺は余談に近い.)

大変,楽しい論理展開で,オラわくわくしてきたぞ!
さて,この論理展開にチャチャを入れることはいくらでもできそうですが,トピックは,はてなのCTOたる伊藤氏は技術書すらまともに読めないということですので,その部分についてだけ意見を申し上げるとしましょう.
結論から申しますと,「技術書を処分した人 = 技術書を読めない(無教養な)人」とはならないということです.まぁ,百歩譲って「技術書を読めない人ならば,技術書を処分する」すると仮定してあげましょうか.でも,そうだとしても,「技術書を処分する人ならば,技術書を読めない」というわけにはならないんでごいす.もちろん,「技術書を読める人ならば,技術書を処分しない」ということにもならないのでご注意いただきたいですな.
なお,技術書に限らずですが,特定の書物のもっとも本質的な部分のみを理解してそれ以外の知識は辞書に頼るという方法でも十分立派な仕事をすることができるというのが,私の意見でございまする.と,いいますか,少々毒をはくと,大量の書物に囲まれていかに多くの書物を読んだだとか,こんなすごい技術を知っているといったことはそれほど重要なことではありませぬ.自分が仕事をする上で,最低限知っておくべきことさえ押さえておけば,立派に仕事をすることはできるはずなのです.だというのに,大量の書物を保持しておかなければ一流の技術者になれないようならば,その技術者は バカめ! でございます.
まぁ,最後のあたりの バカ は私なのかもしれません.書物に囲まれることが大好きですので.でも,やっぱり書物に囲まれるより,一冊の良書の本質を理解したほうが,必要のない固定観念にとらわれないし,良い仕事ができると思うのでする.
なお,当たり前ですが,伊藤氏が愚劣と仮定したとしても,はてなコミュニティ自体が愚劣であるということにはなりませぬ.もう少し論理や因果関係を考えて文章を書かれるとよろしいかと存じます.せっかくいろいろと無駄な知識をお持ちのようですから.


id:ysano2005:20070407 氏の意見にもだいたい共感.


余談だが,id:Ysano2005:20070407 というのもあるみたい.これにはちょっと笑った.けど,ちょ,な……何? といった感じ.



で,これはネタですか? おかげでいろいろとお馬鹿な妄想を繰り広げてしまい,とても楽しかったです!

*1:私ははてなユーザかもしれませんが,実際ほとんど使いこなせていない.