トヨタ車のいじり方初級編

私も車をいじり始めた頃そうでしたが,どうやって車の部品調達をしたり,いじり方を調べればいいのか分かりません.
みんカラなどは半分整備士に足を突っ込んだような方々がウヨウヨいらっしゃいまして,いつもながら,「すごいなぁ」と嘆息してしまうわけです.
でも,これだけ知っていれば(持っていれば)簡単な日曜メカニックは自分でもできる!!!

で,君のトヨタはなんなのさ?

まず,(私を含めた)初心者の諸兄諸姉が何に悩むかというと,ずばり自分の車が何なのかよく分かっていないと言うことです.
トヨタに限らずですが,最も確実な車種判断方法は「車台番号」を見ることです.車台番号は車検証に記載されています.車台番号は固有の番号であり,これが分かるだけで,(陸運局が調べれば)誰がその車を持っているかわかりますし,打刻されたのが出荷工場ですので,どの工場でいつ出荷された何の車種なのかもずばりわかります.トヨタ車(以外もそうでしょうが)は車台番号がどの車種に対応するのか,データベースを持っており,ディーラやショップにあるデータベースソフトで,その車種がなんなのか一発で分かります.
そんなデータベースを持っていない初心者の皆様は,次に注目すべきは,車検証にある「型式」・「原動機の型式」・「初度登録年月」です.型式は車の基本的な型番でして,原動機(エンジン)といつ生産されたか(初度登録)を知ることで,ほぼ確実に自分の車が何なのかを知ることができます.この情報を持ってパーツショップに行き,パーツカタログを引けば自分の車に取り付けられるかどうか大体絞り込みができるのです.
たまに,さらに細かい指定が必要なこともありますけど,大体はこの3点を知っておけば大丈夫.さらに細かい指定というのは,例えばミッションが3速ATなのか4速ATなのか,MTなのか,とかふつーの人が滅多に触らないところです.なお,詳細な型式は,車検証にある「型式指定番号」「類別区分番号」があればわかるのですが,これもデータベースを引かないとちょっとわからないです.

おさらいしますと,ポイントは,

  • 車台番号⇒データベース参照 で自分の車の型式を一発で知ることができる(トヨタなら,型式,原動機,初度登録,グレード,ミッションの種類,色まで分かる)
  • データベースを見る環境になければ,「型式」「原動機の型式」「初度登録」を調べる⇒初心者が触りそうなパーツくらいは十分に検索できる

でしょうか.

ちなみに,私の車ですと,型式=E-AE100,原動機の型式=5A,初度登録=H6/6 です.これだけで基本的に困りません.ただ,これだけですと,3ATなのか4ATなのかMTなのか不明です.トヨタ内部ではさらに詳細な型式種別を持っておりまして,それで言うと,AE100-AEPEK となります.これでATの種類なども決まってくるのですが,初度登録情報がなく,微妙なマイナーチェンジには対応できません.

君がいじくりたいのはどこなんだい?

車をいじくるためには,問題の部品をどうやれば取り付けられるのかということです.バッテリの交換くらいなら調べるまでもないですが,ファンベルト交換などとなるとどうやって分解していけばいいのかさっぱりわかりません.ここで必要になるのは,「修理書」です.トヨタの場合,工場向けの「修理書」「解説書」がお安く売られています.Yahoo!オークションなどでは,トヨタ車のオフィシャル修理書のCDが販売されておりますし,ディーラでも取り扱ってくれると聞きます.
私はオークションで,カローラ Vol.6,7,8を買いました.ディーラに頼むと「何ですかそれは?」と知ってて知らないふりをしているのか本当にしらないのか,そう答えてくるらしいのですが,しつこく聞くと注文を受けてくれるそうです.CDは車種にもよりますが,一枚あたり1,500円程度です.たまに7枚セット10,500円などという寝ぼけた設定もありますが,オークションなどではばら売りされていますので検討してください.
ところで,注意すべきは,自分の車の初度登録の直前/直後の発行日の修理書を手に入れてもたいていの場合,意味がないということです.修理書は基本的に,当該車種が初めて世に出た後,マイナーチェンジされた箇所は「補足として」修理書を発行します.つまり,自分の持っている車種(シリーズ)が初めて世に出たときの修理書が最も詳しく,その後の修理書はただの補足にすぎないわけです.私はこいつにやられまして,カローラ Vol.8, Vol.7, Vol.6 と遡って買ってしまいました.しかもVol.6は単品で出物が無かったのもあり,Vol.6,7セットを買ってしまいました.Vol.7が二枚あるわけです(笑 賢明な初心者諸兄諸姉はこのようなことがないよう,Wikipedia などでお持ちのトヨタのシリーズ最初期のものがいつ販売されたかを調査の上CDをご購入ください.

ところで,修理書にはどんなことが書かれているのでしょうか.私が持っている「カローラ」修理書は,「解説書」「修理書」「配線図集」「取扱書」がセットになっております.

  • 解説書: 型式種別毎のパフォーマンスやらねらいやら,駄文がいろいろあります.兄妹車種との差別箇所を確認するくらいにしか使いません.そうそう,解説書を読めば,類別区分番号などから詳細な型式種別が分かります.
  • 修理書: メインディッシュです.点検方法・異常判定法・分解の仕方・調整の仕方などが載っています.駆動系から電気系まで一通り書いてありますが,タイヤの付け方とかバッテリの変え方とか,当たり前すぎることは書いていません.また,SST(専用工具)ありきで書かれていますので,そのSSTがどういう作用を持っているのかを想像し,代替ツールを見つける,くらいの根性は必要です.
  • 配線図集: 電気系は参考になります.配管などもいろいろ書いてありますが,正直エンジンやミッションの載せ替えのような激しいことをしない限り,読むことはありません.
  • 取扱書: 車を購入してきたときに付いてきたマニュアルで,まず読むことはありません.奇特にも読む人がいたとしても,それはただの懐古厨です.

純正品番を知りたいんだけど

ホームセンターや黄色い帽子,自動バックスで手に入るものはたかがしれています.ネットで入手できるのも,せいぜいファンベルトくらいで,基本的に消耗品ばかり.マニアックな修理をするときはOリングがどうだの,一般的にお店に並んでいないものを入手しなくてはいけません.そのためには,まずはトヨタ純正品番を知る必要があります.
こういった純正品番がまとめられているのは,パーツカタログです.しかし,結構高い上に,紙ですので結構かさばります.最近トヨタ車で流行りなのは,トヨタ電子カタログシステム.これはトヨタ部品共販(トヨタの部品卸)や大手のカーショップ・ディーラなどで使われている,トヨタ車の部品を調べるソフトでして,紙のパーツカタログより分量も多い(!)のです*1Windows で動きます.これは,Yahoo!オークションなどで売られていますが,数万円するようです.ただ,あなたが車を本気で愛していて本気でいじりたいなら持っておくべきです.これは,一車種だけでなく,過去の発売されたほぼ全てのトヨタ車のパーツを網羅しておりまして,複数のトヨタ車を所持している,他の車種のパーツを取り付けたいなどというときには,とても便利です.まあ,ソフトはお世辞にも使いやすくはないのですけれど….コピペくらいさせてほしい….
こういったパーツカタログを見れば,図解でどこにどの品番の部品が付いている,とわかるわけですが,注意したいのは,修理書とパーツの名称が違うということです(ちなみに修理書に品番などは一切書いていない.).私はこの問題にいつも悩んでいる.統一してくれよ….

さて,このソフト,オークションなどでたまに破格で売られています.ただ,そういう場合,ディスクの裏面がシアン色になっていることが多いようです….

純正部品を取り寄せたい

純正部品を取り寄せる手っ取り早い方法は,トヨタ部品共販に乗り込むことです.特に,パーツカタログで品番が分かっている場合は,それを伝えれば取り寄せてもらえます.そして,部品共販の最も素晴らしいところは,取り寄せが早いということ.通販で代替品を注文すると納期によっては2週間などありますが,基本的に部品共販では1週間以内です.素晴らしいッ!
部品の個人購入の対応をしてくれるところは,部品共販の卸のオフィスでして,品番が分からなくても車検証片手に「この部品がほしいです」と言えば調べてもらえます.が,細かいパーツを何十個も持っていきますと,さすがにいやがられると思いますので注意しましょう.私は20品くらい,事前に品番を調べておいたのですが,それでもかなりいやな顔をされました.そう,購入時の在庫チェックのための品番入力も,「手入力」なんですよ….

他にも,部品共販のさらに卸をやっているところに頼むという手もあります.通販で純正品を多少のマージンだけで取り寄せてくれるところもあります.代表的なのは「くるまやさん」でしょうか.ここも基本的に,事前に品番が分かっていないといけません.一応先方でも調べてはくれますが,手作業ですのでいやがられます.品番が分かっていても在庫チェックはやっぱり手入力なのでしょう.20品目くらいお願いしたら,返事もきませんでした.ここはもう使いません使えません.

というわけで,純正部品を「いくつか」ならいいのですが,「大量に」となると事前にその純正品番を調べるスキルが必須です.

ちなみに,たまに部品共販の人が「どうやってこの品番リスト(電子カタログの検索結果印刷)を手に入れたんですか?」と聞いてきたりするらしいです.やましいところがないのなら,堂々と正規に買ったのだと言い返してやればよいです.

最低限の工具

車をいじるには工具が必要です.しかし,最初からすごい工具が必要かといえばそうでもありません.要はどこをいじりたいのかで必要とされる工具は変わってくるからです.
ですが,最低限もって置いた方がよい工具は,私が思うに,下記でしょう.

  • フロアジャッキ&リジッドラック

いわゆる,ウマ掛けするための工具で,これがないと車の下に潜り込めません.

  • ソケットレンチセット

ソケットレンチと一口にいっても様々あります.差し込み口 9.5sq で 8, 10, 12, 14, 17mm を揃えれば大体は大丈夫.足回りをいじりたいときは,差込角12.7sq で 14, 17, 19, 21mm の大ぶりのセットが必要です.
ポイントは,よく使うサイズ(10mm, 12mm, 14mm)のコマだけは良いものを買っておくことでしょうか.安物のコマではナットやボルトを痛めることもあります.
また,エクステンションと呼ばれる,延長バーを持っておくと作業がやりやすくなります.

これだけあれば,とりあえずはOK.あとは,やりたい作業に合わせて工具を揃えるだけ.

まとめ

トヨタ車いじりにはいろいろと知識を付けるためのツールが必要です.もちろん,工具や根性も大事なのですけれど,まずは敵を知れば百戦危うからずなのです.私がおすすめする入手順は,車検証(笑),修理書,パーツカタログ,です.これだけあれば,改造とかでもないかぎり個人でも結構戦えるんじゃないかな!

おまけ

修理書とカタログで名称が違うと書きましたが,名称のルールも違うような気がします(笑)
少なくとも90年代の修理書にくらべ,パーツカタログの名称は今風.基本的に,単語の語尾を伸ばしません.オルタネーターではなく,オルタネータと,お尻を切るのです.プーリーではなくプーリです.まあ,自動車用語には従ってるようですけどね.ボデーとか.
ですので,修理書にある部品名称でパーツを探すと,意外と見つからないですよ.

*1:紙のパーツカタログはヌケが結構ある.紙だと更新が難しいからだろう.