アイドル異常時にアイドルアップデバイスのホースをつまむと症状が改善することがわかりました.
アイドルアップデバイスは,主にエアコンなどエンジンの力を使って動作する補機類を動かすとき,ちょっとだけエンジン回転数をパワーアップさせるための装置です.エアコンスイッチを入れると,ちょっとだけエンジンがよく回るというアレの立役者.
アイドル時の空気流入あれこれ
これまでにも説明してきたように,アイドル時は基本的にスロットルが全閉なので空気の吸入がありません.このままではエンジンが失火してしまうので,最低限アイドリングできるだけの空気をバイパス経路で流し込んでいます.この経路の途中にISCV(アイドルスピード制御弁)があり,エンジンの暖機具合などを加味して,最小限の空気流入となるように制御しています.今まではこの部分の制御が壊れていて,異常に空気を吸いすぎて回転数が上がっていたのではないか?と推測してきたわけです.どうやら違ったようですが….
一方,エアコンなどの補機を動かすときはエンジンパワーを使うので,ISCVで最低限の回転数を維持しているだけだと,パワー不足でエンジンが止まってしまいます.
そこで,もう一本空気をバイパスする流路があります.この流路の途中にアイドルアップデバイスという弁機構があり,エアコンスイッチを入れると,ECU(エンジン制御ユニット)から弁を開けて空気流入を増やすよう指示がでます.すると,ちょっとだけ多めに空気を吸えたため,エンジンが少し高回転で回るのです.これがアイドルアップの仕組み.
そもそもエアコン使ってないのになぜかアイドルアップデバイスの弁が開いている
エアコンをOFFにしている状態でも,アイドル異常になるし,ハンチングすら発生しているわけです.
今日,エアコンをOFFにしているときにアイドル回転数が1,600rpmに跳ね上がったため,プライヤーでアイドルアップデバイスのホースをつまんでみました.800rpmに落ちました.正常です.エアコンOFF時では,ここには空気が流れないと思っていたのですが,流れています.