わかりやすい文章

昨日の日記で,「今年こそ,わかりやすい文章で日記を書くつもりです」という趣旨の発言をしました.「わかりやすい文章」の定義も様々でしょうが,まずは主張をまとめるクセを付けていきたいものです.ここで,ストーリーでなく主張としている理由は,この場が私の意見を掲載する公開された日記だからです.

まずは論文の書き方を参考にしてみよう

私は,落ちぶれてはいますが,理系研究者の端くれでして,論文をよく読みます.もちろん私が書くこともあります.論文では,定められた制限*1の中で著者の主張をいかにわかりやすく伝えるかを重視しなくてはいけません.読み手が理解できない論文は,いかに内容が高度であってもダメなのです.

論文の構成を知ろう

私は論文の構成は一般的に次のようなものだと理解しています.

  • あらまし
  • はじめに
    • 論文の意義(なぜ著者の主張は重要視されるべきなのか,など)やその背景,従来技術(従来の意見/主張)に対する新しさなどを要約して記述します.章立てを述べて,その論文の読み方を示したりもします.introduction (イントロダクション/イントロ)と呼ぶらしいです.
  • 準備
    • 主張に入る前に,必要となる前提知識などを整理します.これは英語で何というのでしょうか.Preliminaries とかかれているものを見たことはあります.
  • 主張およびその根拠
    • 主張します.工学系の論文では,主張の論拠として「証明」や「実験結果」を与えることが多いとおもいます.
  • 主張の拡張/応用
    • 著者の主張を認めた上で,主張を拡張します.工学系では,その応用例などを示し,著者の主張が いかに工学的に意義を持つかを主張します.
  • まとめ
    • 主張をまとめます.短い論文や枚数が足りないときは切り捨てられることもあります.conclusion (コンクルージョン)と言うようです.

すでにお気づきかもしれませんが,たいていの場合,「あらまし」,「はじめに」と「まとめ」の話題は被ります.「あらまし」は「はじめに」の短い要約,「まとめ」は「はじめに」の主張に特化した要約です.

要約が多い

論文の要約を複数書く意味/必然性を論じれば様々な意見が出ることでしょうが,私はおおむね次のようなものだと考えています.

  • 「あらまし」はその論文がどのジャンルに属しているのかを指し示すものである.読み手は,あらましを読んでから,実際に読み込むかどうかを決めることができる.
  • 「はじめに」は「あらまし」を読んで興味をもった読者に対して,論文のちょっと詳細な主張の本質を伝えるもの.
  • 「まとめ」は主張の整理と再掲.

しかし,このような形態をとり要約しまくる理由は「読者の興味を惹き,誤読を防ぎ,主張の本質を理解してもらうため」であろうと思います.ここでは,「要約は大事」と頭にすり込んでおきましょう.

日記ごときに採用できるものはあるか

さりとて,日記は所詮日記であり,吉田兼好の時代からつれづれなるままに書きつづられている意味不明な文章です.論文のようにガチガチの文章とはワケが違います.私は論文のようなガチガチの日記など書けませんし,そのような文章を書く労力も時間もありません.この文章を書いている時点ですでに30分以上経過しているくらいです.
私は日記を書くとき,次を意識すればよいと考えています.

  • だらだらと文章を続けず,「要約」し,難読とならないようにする.同時に読み手の誤読を避ける.(要約の重要性)
  • 必要に応じて「まとめ」を設け著者(私)と読者との意識のズレを修正する.(まとめの重要性)

つまり,要約を設け,必要であれば再掲し,まとめにて整理するべきだと考えます.

などというすごそうな日記など書かない(書けない)

このような書き方をすると時間がいくらあってもたりません.まずは,「まとめ」から記述し,脈絡のない文章になることを避けるところから始めた方がよいかもしれません.
また,私などは言葉遣いなどもよく間違います*2ので,この辺についても日記でふれたいものです.

*1:枚数,言語や体裁など,雑誌・学会等で定められたルール.

*2:おそらく,間違えます,のほうが正しいと思います.こういったものも正しく理解したい.