ホジキン病向け分子標的薬

第1回の検査ではホジキンリンパ腫の再発は認められませんでした.
しかしながら,2年ほどは予断の許さない状況と言えましょう.
再発した場合は,比較的体力のある若者の場合は大量抗がん剤併用による自己幹細胞移植をすることになるでしょう.
これは,自らの健全と判断した幹細胞を事前に採取しておき,抗がん剤を大量に使って自己免疫系を破壊(つまり血液を作れなくする)し,その後保存しておいた幹細胞を戻して定着させるものです.
がん細胞どころか,自分の造血細胞まで徹底的に破壊してしまうため,がん細胞も完全に殺せます.この方法であれば,ほぼ根治を望めます.
しかしながら,大量抗がん剤による身体の負荷と免疫系破壊による肺炎等の疾病に弱くなるのが問題です.しばしば肺炎やインフルエンザなどで命を落とします.

一方で,最近「ブレンツキシマブベドチン」(商品名: アドセトリス)なる抗がん剤を耳にするようになりました.これは今年認可の下りた,再発・難治性ホジキンリンパ腫向けの抗がん剤で奏功率70%程度*1抗がん剤らしいです.CD30が陽性であれば利用可能な分子標的薬っぽいです.
妻のホジキン病由来の腫瘍は CD30+ ですから,一応は再発したときの治療方針候補にはなりそうです.

臨床試験も盛んに進められているようです.( 臨床試験情報詳細画面 | 一般財団法人日本医薬情報センター 臨床試験情報 )
自己幹細胞移植や骨髄移植に変わる第2のスタンダードになればよいのですが.

追記

アドセトリス注 | ばるとろまいの薬コラム にわかりやすく,詳しいお話がかかれていました.

*1:国内では67%,海外では75%の実績らしい.説明書にそう書いてあった.