D750 のローパスフィルタを清掃しよう

はじめに


レンズ交換式デジカメではレンズ交換中に暗室内にゴミが入り込みイメージセンサ(ローパスフィルタ)が汚れるのは宿命です.
青空を撮影したときに,ふとゴミに気づきガッカリした経験がある人は多いはず.多くの方は,少々のゴミならば…と騙し騙し使っているのですが,あまりに酷くなるとサービスセンターに駆け込むわけです.しかし,運が悪ければほんの数度のレンズ交換でゴミが付着することもあるわけで,そうなってくると,いちいちサービスセンターに行ってられっか!!となるわけです.
ぼくは(意外と)神経質なので,僅かなゴミの付着も許せないタイプです.最初はわざわざニコン新宿SCまで行ったりもしたのですが,いつの頃からか自分でゴミ掃除をするようになりました.
おかげさまで,素人にしてはローパスフィルタ清掃は上手なほうだと思っています.
今日は,偉そうにも,ぼく流のローパスフィルタ清掃テクニックについて紹介しましょう.
なぜこんな記事を書こうと思ったかというと,ぼくは先日の海外旅行でも現地で無水エタノールを買い求め,夜な夜なホテルで清掃していたほどのきれい好きだからです.エタノールにはちょっとうるさい.

結構 DIY している人は多いけど,非効率じゃないか?

ネットで調べてみると,けっこう皆さん自力で清掃されていますね.この方( id:zariganitosh:20130509:low_pass_filter_fight ) の説明などは大変参考になります.
でも思うんですけど,ネットで見る限り,みなさん拭き方が非効率的なんですよねぇ.
一般に,

  • レンズを拭くように,円を描いてクリーニングする,
  • 一方向にぞうきん掛けをするようにクリーニングする

というやり方が多いんですが,わざわざ汚れていない箇所にゴミを付着させてるようなものです.
特に,円を描くやり方は最悪です.よっぽどクリーンな環境でやらないとまずゴミが無関係の場所に再付着します.

汚れているところだけ掃除しよう

当たり前なんですが,これを実践している人は結構少ないげ?
これさえ覚えてしまえば,もう何枚もシルボン紙(クリーニングペーパー)を使う作業とおさらばできます.
撮影画像でゴミを確認し,ゴミが付着している箇所にアタリをつけて,最小のエリアだけ清掃するわけですが,ポイントはカメラボディに正面から相対したとき,

  • 撮影画像の左右はローパスフィルタの左右に対応,
  • 撮影画像の上下はローパスフィルタの下上に対応

するということです.
つまり,上下線対称の関係にあるわけです.ですから,例えば撮影画像の左上にゴミがある場合は,ローパスフィルタの左下を掃除すればいいわけです.
これは,ローパスフィルタでは絵は上下左右反転して見ている(点対称)わけですが,掃除中はカメラと相対しているため,左右だけはさらに反転する(左右線対称)ためです.

やってみよう

やってみましょう.ぼくの作業は本当に適当です.

道具を準備します.

  • 無水エタノール
  • シルボン紙
  • 先を少し平べったく成形した割り箸

全部で3,000円はしませんし,カメラ用途であれば,もう5年は使える量です.買いましょう.

できるだけF値を大きく設定できるレンズを装着します.レンズの後玉などにホコリが無いことを確認します.
MF モードにしておきます.

レンズのピントは無限遠にしておきます.

絞り優先オートでもマニュアルモードでもよいですが,最小絞りにしてISO感度をゴミが識別できる程度に下げておきます.
また,後で説明しますが,露出時間が数秒程度になるように合わせておきます.

ここでシルボン紙を用意しましょう.
巻き方は,id:zariganitosh:20130509:low_pass_filter_fight が大変詳しい.

先が5mmくらい曲がるくらいにしておきます.これは例なので,間違っても指やら机やらで押してみないように.ゴミがつきます.

クリーニングミラーアップしたら,準備完了!

多くの人は白い紙を撮影しているようですが,出先などでいつも白い紙があるわけではありません.
ぶっちゃけ,青空でもよいし,室内で長時間露出をしつつわざとカメラを振ってぼやけた画像を撮ってもよいのです.ぼくはだいたい後者でやってます.
さて,わかりにくいですが(リンク先で拡大してください!),赤丸で囲った箇所にゴミがあります.
比較的真ん中にはゴミはなく,多くは周辺にあるようです.特に,左右と下にゴミがありますので,これを取り除きましょう.
方針はこんな感じです.

  • 左: ゴミが二つみえるので,ローパスフィルタの左側を少し広く清掃(①,②)
  • 下: ローパスフィルタのを清掃(③)
  • 右: ローパスフィルタの右を清掃(④)


こんな感じで清掃していきます.
ちなみにぼくはべったりと無水エタノールをつける派.シルボン紙を1cm以上湿らせています.ただし,タレるのは絶対にダメ.

うん,きれいになったかな.
ここまで2,3回のやり直しで済んでます.
もちろん新たなゴミが付着することもありますが,清掃したエリアだけに限局するので,やり直しのコストは最小で済みます.
もし,ゴミがとれない場合はエタノールを増やして,じっくりと優しくなで回します.
コツは,ゴシゴシ拭かず優しく拭く,最後にセンサの下辺部にゴミを捨てられるようシルボン紙を少しシャープに巻いておく,くらいでしょうかね?

最後に

間違っても電池切れとか,電源ボタンOFFしてシャッター破損とかしないように!
でもそれさえ気をつければすごく簡単な作業なので,おすすめ.

無水エタノールP 500ml

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ニコン シルボン紙セット

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