初代 MINI コンバーチブルにFM/AMラジオブースターを取り付けるの巻

はじめに

MINI R52 コンバーチブルですが…本当にFM/AMブースターついてますか??
R50やR53のようなハッチバックには,どうやらちゃんとブースターがついているようなのです.しかし,R52 コンバーチブルでは,それがどこにあるのかさっぱりわからんのです.
どちらにしろ,超強電界の局しか入らないようではどうしようもないし,ブースターがあるのかないのかもわからんけれど,ブースターを別に取り付けてみることにします.
結論からいうと,大幅に改善しますよ.

ほんまにブースターあんのか疑惑

ハッチバックにはちゃんとある

ハッチバックの R50 や R53 のブースターは簡単に見つかるようです.
2ufxuhg4.blog2.fc2.com
この方は右リアスピーカー付近で発見しています.ブースターと分配器が一体になったやつですね.
パーツリストでは(おそらく左ハンドルなので)左右が逆であるものの同様に一体型のやつがありますね.

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Antenna amplifier Diversity 65206918372
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Antenna amplifier Diversity リスト

コンバーチブル のブースターどこよ

R52 のブースターがどこにあるのか,明確に見つけた人はいないようです(オンラインでは).
www.mini2.com
引用: ブースターどこにあるの?(;_;)

このフォーラム内では,トランクの脇にあるだの足下のパネル内にあるんじゃないかとか色々言っているのですが,具体的に発見したという情報は出てきません.一方で,オンラインのワークショップマニュアルが提示されていて,これによると,分配器とブースターが個別にあると書かれています.
Mini Workshop Manuals > Cooper Convertible (R52) L4-1.6L (W10) (2005) > Accessories and Optional Equipment > Antenna > Antenna Amplifier > Component Information > Locations > N8 Antenna Amplifier AM/FM > Page 11179

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ワークショップマニュアル(コンバーチブル ラジオブースター)

なんだかよくわからんのですが,コンバーチブルの分配器とブースターは別々?そもそも,このN8アンテナがなんなのかもわからないし,そもそも accessories and optional equipment みたいな書き方です.
分配器がリアスピーカー付近にあるというのはともかく,ブースターはトランク左トリム内とか,配線方向に「リアウィンドウの(フィルム)アンテナへ」,とか書かれているあたりも謎.コンバーチブルはアンテナもデッキも全部フロントにあるのに,わざわざリアに回す理由がわからん.本当にオプションアンテナとそのブースターな気もする.
ちなみに念のため,トランクの左トリムバラしてみたんですよね.まあ案の定というか,幌開閉用のポンプが出てきただけでした.

ワークショップマニュアルを少しさかのぼるとN8アンテナとやらの場所も出てきました.どう見てもテールゲートです.コンバーチブルのテールゲートにこんなのないし,わざわざここまで配線を遠回りさせる必要もないでしょう.あとちょっと笑えるのは,上の図だと左側テールゲートの中と書かれているのに,この図ではテールゲートのど真ん中にあるってところ.

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N8アンテナの位置

あと,この写真にきわめてよく似たデバイスがあります.

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Roof antenna base 65206920279
ハッチバック用のアンテナベース(笑) 品番で検索するとこちらもブースターとして販売されているケースが多いようです.なので,ひょっとすると,リアスピーカーのものと棲み分けているのか,あるいはどちらか一方だけが設置されているのかもしれませんね.
いずれにせよ,これも,コンバーチブルのアンテナベースにはありません.

というわけで,ブースターがあるとしてもフロントのどこか(あり得るのはアンテナベースのそば?)だろうし,そもそもどちらにしろ感度悪いのでブースターを入れてみましょうというわけなのです.先のハッチバックダブルブースターにしても大丈夫だった人もいるし.

接続プラン

実は今回は FM-VICS もとれるようにしたいのです.
ポータブルナビ パイオニア AVIC-MRP770 を使っていて,3G 回線で渋滞情報とれているのもあって必須ではないのですが,せっかくFM-VICSにも対応しているし,入れておこうという感じですね.

で,色々考えた結果次のようにしました.左が元々の構成,右側がブースター&分岐構成.

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ぼくの考えた最強のラジオブースター構成

ブースター:アークヒル VA-100

ブースターとしては,アークヒルの VA-100 を使います.結構うんこたれな評判もありますが,ちゃんと結果が出ている人もいるのでまあ大丈夫かなと.
たぶん,(初期不良だった人はともかく)うんこな結果になった人は,原因がブースターのせいでなく無意味にダブルブースターにしてしまったとかそういうのじゃないかと.
ただ,弊社の無線のプロ((一陸技持ってるような変態.トラ技(トランジスタ技術という無線雑誌)でタワーを作っていたら,結婚を機にすべて嫁さんに捨てられて泣いたというかわいそうな人.))に聞いたところ「利得ショボいから大して効果ないのでは」という不吉なコメントももらっていました.

JASOにいったん変換するココロ

FAKRAなんだから,ebay とか Aliexpress とかで売られているFAKRAでブーストする装置を買えば一番よいのですが,

  1. FAKRAコネクタを持っている洋物のFMブースターは周波数が日本とずれている,
  2. 二股に分岐するケーブルが見つからない

という理由で,JASOにいったん戻すことにしました.特に1.はめちゃくちゃ重要.必ず 76~90MHzをカバーするものを買いましょう.
ちなみに,アークヒルの VA-102 を使えば,JASOと最終的に AVIC-MRP770 に挿すミニプラグの両出力ができますので,それを使ってもよかったのですが,ミニプラグケーブルやJASO分岐ケーブルを最初から持っていたため,シングル出力の VA-100 にしました.いずれシングル構成にするかもしれないし.

電源の OR 回路化

MINI R50 シリーズが採用する Alpine CD53 デッキは,エンジンがかかっていないどころかキーを抜いている状態でも,ボタンを押せばラジオが入ります.つまり,デッキがONになったら,アクセサリ電源がなかろうとブースターもONになってほしいのです.
一方,今回は FM-VICS とカーナビでもラジオを使いたい.デッキがOFFだろうと,エンジンが始動しているときにもブースターがONになっていてほしいのです.
というわけで,パワーアンテナ電源(国産車ではラジオコントロール線と呼ばれているやつですね)とアクセサリ電源のどちらかがONであれば,ブースターに電源が入るOR回路をダイオードで作ります.
使ったダイオード

作業をしていきましょう

OR回路を作ります


あとはショートしないように絶縁していきます.

デッキをバラしていきます

スタート


邪魔になっているナビを取り外す


運転席側のアンダーカバー取り外し


力尽くで下に押し下げてピンを抜きます.左右一箇所ずつ.上側がガパっと開けばOK.
ここを開けておかないとデッキ横の柱を取り外せません.

デッキピラーのビスを取り外し


T40

運転席側上のビスはドライバー形状ではステアリングが邪魔で取り外せません.
ショートドライバを使うか,レンチ状のT40で取り除きます.

サイドミラーコントローラ部取り外し&ビス抜き


薄めのドライバなどを引っかけて上に引き上げます.
がしがしやるとパネルが傷むので,目立たない位置に薄刃を引っかけて上方に引き上げ,できたスキマに別のドライバなどを差し込んで全体を引き上げます.一箇所のキズは我慢して一回でやったほうがよさげです.

コネクタを引き抜き.2つあります.

また,個々に見えているプラスねじも抜いておきます.

ドリンクホルダのビス抜き

ここまでくると,ドリンクホルダーごとピラーの足部を後方に引っ張り出せて,ピラーがはずれます.

デッキ四隅のビス取り外し


T20 です.

デッキ引き抜き


デッキワイヤ切り離し


デッキ左奥に各種ケーブルが塊のコネクタとしてくっついています.また右奥がラジオアンテナ線です.
左奥の塊は,下部にあるロックバーを引き上げるとコネクタがごそっと外れます.ちょっと固いけれど頑張ってロックを解除方向に跳ね上げます.


取り外したコネクタはこんな感じ.

デッキ裏面


まあ参考までに.

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ALPINE CD35(笑)のピンアサイ
あと,ネットでよく転がっているピンアサイン.CD53のピンアサインですね.
デッキの設定はいくつかあるらしいのですが,おそらく日本に輸入されたものの大半はこれだと思います.たぶん,Base Radio with Telephone Provisions ってやつ.電話機能なんてついてないんですが,コネクタはなんかついてます.(ぼくはAUX増設したため,そのコネクタを取り外していますが.) without Telephone Provisions というのもあって,これは全く配線が異なります.参考までに,without Telephone 版では,パワーアンテナ=pin13(white),ACC=pin5(purple/blue),GND=pin15(brown)です.
高級モデルのハーマンカードンモデルは前者と基本的に同じです.

VA-100


FAKRA コネクタ形状


こんな形状です.右側がデッキに差し込む側のコネクタです.

結線&整理


結線して,整理していきます.
ブースター類はエアコンコントローラ裏あたりがスキマなので,いったん運転席側に逃がして,デッキを組み付けてから,脇からエアコンコントローラ裏に落としていきます.

完成!


いやー,よく入るようになりました.

MINI R52 コンバーチブルにAM/FMブースターを挟んでみる

その一方でですね,アクセサリに電源が入ると,どうもどっかの機器から電源ノイズが出ているらしく,ノイズ入り電源でブースターを動かしているせいでノイズまみれに….
ダイオードの先に整流回路が必要っぽいです….しょんぼり.

追記(本日の晩)

なんと,整流回路用に発注したノイズサプレッサーが当日中に届きました.
早速取り付けましょう,

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ぼくの考えた最強のラジオブースター構成(改)
図面はこんな感じ.
らっきーなことに,ブースターを納めた場所はエアコンコントロールの裏なので,ステアリングカバーだけ取り外せればアクセスできるのでした.早速開けてみます.

ノイズサプレッサー BOSS B15N です.
裏面.なんだか,ヘッドユニット全体を独立させろ的な絵ですが,めんどいのでそれはやらず,あくまでブースターのみ電源改善します.

運転席のステアリング下のカバーを取り外せば,ラジオ裏というかエアコンコントロールの裏に積んだブースターを引っ張り出せます.

引っ張り出して仮接続.うん,アクセサリ電源の影響を受けないようです.

というわけで,このままこいつらを押し込んで何も見なかったということで完了!
ラジオの聴ける範囲が広がりました.,埼玉川越付近で少なくともFMヨコハマやbay FM が入るようになりました.
一方で,NACK5はノイズまみれ.近所なのになぁ….
こいつはなんか干渉を受けてる感じがします.アクセサリではなく,エンジンONや対向車の影響とかそのあたりの影響が大きいです.なかなか難しいもんですね.
それ以外は問題なし.

追記:いままで一切入らなかった AM 1620kHz の交通情報が入るようになりました!!!(いままで入んなかったのよ…