Nikon 36-72mm f/3.5 Series-E 修理

近所のジャンク屋で拾ってきたので分解修理します.

拾ってきたのは Nikon 36-72mm f/3.5 Series-E .
Nikkor レンズではなく,廉価版という位置づけの Series-E です.1,000円なら惜しくもないので散財.
8群8枚ということですから,バルサム切れとかは発生しないので,比較的まともなレベルに再生できるはずです.

レンズは結構汚れ&カビカビです.
ぱっとみたところ,カビのないレンズはなさげ?なほどカビまみれ.コーティングは絶望的ですね.

リアにもカビあり.ちなみにこのカビは後玉最後部のレンズで,アルコールで拭くだけで取れました.

前玉から攻めましょう.
カニ目レンチか吸盤オープナーで,前玉を抑えているリングを外します.

リングと前玉1枚目が外れます.

二枚目はこんな感じで鎮座.
吸盤で引き上げます.

二枚目引き上げ.

三枚目はヒドイかんじですね.どのレンズにもカビはありますが,特に三枚目は裏にびっしりと.

三枚目は太めの座金に押さえつけられているので,座金ごとレンズを引き上げます.薄めのレンズなので,無理に引き上げて割ったりしないように注意.

前玉4枚目.
これは,固くて吸盤オープナーでは外れませんでした.
カニ目レンチがあれば楽勝でしょう.
なお,この四枚目の裏に絞りがあります.

仕方がないので,四枚目を掃除するために,リアからも攻めることにします.

5本のスクリューを取り外します.
比較的簡単に緩みます.

絞り環ごとごっそりと抜けます.ただし,絞りレバーが内部の機構に引っかけられているので,慎重に揺すって引き上げます.写真の左側はスペーサー(3枚だったかな?)で,右が絞り環と連動する絞り値固定リングです.スペーサー,絞り値固定リングの順に取り外します.
なお,この絞り環ユニットは,引っ張るだけで,抑え,絞り環本体,筒の3つに分割できるので,なかなか外れない場合はそれぞれバラしてから取り外した方がいいかも?少なくとも組み付けはバラしてからやったほうが楽.

後玉はユニット化されています.纏めて吸盤オープナーで引き抜きます.
後玉ユニット内はあまりカビていないので,分解しないことにします.分解する場合は,さらにカニ目レンチまたは吸盤オープナーでバラしていきます.

このユニットを取り外した時点で絞りが見えるので,絞り経由で前玉4枚目を掃除することができました.

さて,適当な被写体がないため写真掲載はしませんが,写りは,まあまあ,かな?という感じです.
f/3.5ではお話になりませんが,f/5.6からはそれなりにシャープになってきますし,34年前のズームレンズにしてはかなりよいですね.
単焦点厨のぼくはほとんど使わないと思いますが(なぜ買ったし…),中古で1,000円くらいであれば買ってもいいかもしれませんね.フィルムカメラには悪くなさそうです.

一応写真とってみた


撮ってみました.モノクロでな.
使ったフィルムは, FOMA Fomapan 100 Classic.Fomapan 100 Classic は ISO100 のくせにあんまり解像度ない感じなんで,こういうフィルムとか ISO400 フィルムぐらいなら,十分やっていけるレンズですな.ちなみに,これは望遠端で撮影したはずです.