エンジンルームからキュルキュルとこすれるような音がし始めたら，おめでとうございます，ファンベルト点検の時期でございます(^^)
ファンベルトの役目とトラブルの重大さ
車種にもよりますが，ファンベルトは大まかに次の三つから構成されています．
車種によっては，これが2本だったり1本だったりします．例えば，オルタネータベルトとエアコンベルトが兼用で1本にまとめられている車種もありますし，パワステが電動化されていてパワステベルトが無い車もあります．
これらのベルトを総称してファンベルトと呼んでいますが，厳密にはこいつらはファンベルトではありません．元々はラジエター(冷却液の放熱板)のファンを回すためのベルトをファンベルトと呼んでいましたが，現在ではラジエターファンは電動モータ化されておりファンベルトという名前だけが他のベルトの広義の名称として残ったわけです．
さて，こいつらは経年劣化や緩み，気温・湿度の変化である日キュルキュルと音がし始めます．気温や湿度の変化で音がしているくらいなら良いのですが，経年劣化や緩みだと走行中に破断 or 外れで下記のような重大なトラブルを引き起こすことがあります．
- オルタネータベルトの破断・外れ ⇒ オルタネータの突然死 ⇒ エンジンの失火 ⇒ 車体を制御不能*1
- エアコンベルトの破断・外れ ⇒ エアコンのコンプレッサーが突然死
- パワステベルトの破断・外れ ⇒ パワーステアリング機能の突然死 ⇒ 車体制御不能
- いずれかのファンベルトが破断 ⇒ 切れたファンベルトが他のファンベルトに絡み上記のようなトラブルを引き起こす．
というわけで，キュルキュル音がし始めたらまずは診断しましょう(^^)
障害の切り分け
まずはキュルキュル音が本当にファンベルトから出ているのかどうかを確認しましょう．
これはすごく簡単．ファンベルト鳴き止めスプレーを買ってきて，ファンベルトの内側にちょっとスプレーをしてみます．ファンベルトが問題なら，これでキュルキュル音が止むか，違う異音の出方になります．このとき，ファンベルト一本ずつ試していくと，どのベルトが問題かも分かります．
本当にファンベルトかどうかも分からないのに鳴き止めスプレー買うなんてもったいねーよ? 仰るとおり(^^; 私のように愛車精神のないドライバーは，水で代用します．
500cc のペットボトルに水をいれ，ファンベルトの上にたらーりたらーりと垂らしてやります．もちろんファンベルトに水を与えるのはファンベルトの劣化に繋がりますのでお世辞にも良いとはいえません．しかし，この程度で痛んで交換となるファンベルトなら交換したほうがよいと割り切って，水をかけています．ちなみに，過去，トヨタディーラにて，「クレ556をぶっかけてみれば?」といわれて驚いたことがありますが，そんなにいきなり寿命が縮むものでもないので，あまり気にしていないということの表れなのでしょう．
水をかけるのはとてもリーズナブルなのですが，最も重要なことは，オルタネータなどの電装系には水をかけないこと！ 多少はベルトを伝わって水がかかるでしょうが，ダイレクトはまずいです．慎重に行く場合は，水を手にかけてその水滴を垂らすというやり方がよいでしょう．
ファンベルトが原因と分かったらどうするか
とりあえず，キュルキュル音が再現する状態で，ディーラーに駆け込み，何も知らない顔で「キュルキュル音がする」と騒ぎます．なぜ，すぐに交換を依頼しないかというと，単純にベルトがゆるんでいるだけの可能性もあるから．この場合，天下のディーラ様は無償でファンベルトの張り直しをしてくれることが多いのです！
「交換ですね(^^)」と言われたら諦めましょう．
ファンベルトの交換
ファンベルトの交換は車種にもよりますが簡単な部類です．そのため，交換費用も一本あたり，3〜5,000円とお安いものです．ただし，奥まったところにあるベルトを取り外すのに全部ベルトを外す必要がある車も多く，その場合は諦めて全取っ替えするのがおすすめ．
部品の価格は，一般的に一本あたり1,000〜2,000円です．例外的に，オルタネータとエアコンベルトを兼用しているようなファンベルトは一本ですが，3,000円〜5,000円とお高いことも．
私の場合は，ここ(id:Hie:20110424#1303652834)にも書いたとおり自力で交換します．
ちなみに，今回はディーラに部品の交換を依頼した際に取り外したファンベルトがゆるんでいるだけでした．しかも半ぎっくり腰状態で対応したのできつい…．ぐぬぬ．
