水温センサ交換

落ち込んでいても気が滅入るだけなので,少しだけ活動しました.
先日山道走行で故障に気づいた車の水温センサの交換です.車は AE100-AEPEK カローラ(94年6月初度登録)です.
交換の難易度は容易.所要時間は5〜10分.
AE100 の場合,必要な工具は17mmのメガネレンチだけ.車種によってはサイズも違うでしょうし,フレアナットレンチじゃないとダメかもしれないので,水温センサの形状をよくご確認ください.

症状とか

私は車にエンジンオイルの油圧・油温計とラジエター液の水温計を別につけています.先日,蓼科高原を上っているときに,エンジンオイル・ラジエター液とも120度に達することに気づきました.
山頂の休憩所でボンネットを開け,ヒーター全開でエンジンを冷却しようと思いましたが,このときラジエターの電動ファンが回っていないことに気づきました.今までは,水温計が95度を超えたあたりで電動ファンが回っていたはずなのに,120度でも回らない.このままではエンジンがオーバーヒートしてオシャカになってしまいます.
電動ファンは,ラジエター液の液温が高いときかエアコンを回しているときに回るので,エアコンをつけてみます.すると,ちゃんと電動ファンは回る….
とりあえず,電動ファンを強制的に回すために常時エアコンオンで帰宅.

この状況から,電動ファンそのものは故障しておらず,ラジエター液が高温となったことを知らせる水温センサ(スイッチ兼用)が故障していると予測できます.
実際,水温センサのコネクタを切り離すと,電動ファンはちゃんと回りますので,水温センサが問題というのは間違いないと確信しました.なぜかというと,水温センサは高温になると電気的な絶縁体として動作し,これを検知して電動ファンは回転を始めますので,コネクタ切断=絶縁状態なので,この状況で電動ファンが動作するのが正常だからです.

交換作業


これが交換用にカローラで買ってきた水温センサ.
ウォータテンパラチャディテクトスイッチ No.2 89428-12160
4500円くらい.たっけ.

この奥に水温センサがあります.

ディストリビュータ(4本プラグコードが生えているやつ)のコネクタ2本が邪魔なので切り離します.経年劣化でコネクタが壊れやすいので,ツメをしっかりと押さえて取り外し.

すると,サーモスタットのあるインレットに刺さっている水温センサが見えます.こいつのコネクタもツメを押さえて優しく抜き取り.
アクセスが難しければ,右隣のエアクリーナーボックスの上部を浮かせてスペースを確保するとよいでしょう.4つのフックを外すだけだから簡単です.このとき,エアクリーナーボックスに刺さっている,吸気温センサのコネクタも外しておきます.

17mmのメガネレンチをかけます.左回転で緩みます.ちょっと固い.
センサを抜くとラジエター液が漏れてきます.下に水受けを用意しておくとよいでしょう.漏れる量は300ccくらい.

新しいセンサを挿入.驚きの白さ.
シールテープや水漏れ防止液体ガスケットを塗布する人もいるようですが,今回は利用せず.後日漏れたら再検討します.
ぼちぼちの力で締め付けて終了.あとは元に戻すだけ.

足りなくなったラジエター液を補充.めんどくさいから水だけ入れました.

完成!
追加水温計が95度あたりでちゃんとファンが回転しました.これで一安心.

追記: 特に水漏れはなし

シールテープや水漏れ防止の液体ガスケットを使いませんでしたが,特にお漏らしはしませんでした.
テーパがついているから,大丈夫なんでしょう.
あんまりぎゅうぎゅうとしめ混むと,テーパが壊れるからホドホドに締め付けるのがポイント.

水温センサの試験のやり方

蛇足なのでここからは読み飛ばしていただいてOKです.

AE100 の場合,この水温センサ(テンパラチャディテクトスイッチ No.2)の動作試験は下記の要領で行うと修理書にあります.

  • 低温時の試験(83度以下)
    1. エンジンをかけ,電動ファンが回らないことを確認する.
    2. 水温センサのコネクタを外し,エンジンONで電動ファンが回ることを確認する.またコネクタを差すと,電動ファンが回らないことを確認する.
  • 高温時の試験(93度以上)
    1. エンジンをかけてアイドリングする.
    2. センサ部分の水温(サーモスタットのウォータインレット付近)が93度で電動ファンが回り,83度に下がった時点で電動ファンが停止することを確認

いや,むりだろ.どうやって温度測るんだよ….
ちなみに,私の場合水温をアッパーホースで測っています.アッパーホースと今回の水温センサの間にはラジエターがあるので,当然アッパーホースで計測した温度のほうが大きくなります.なので,自分で設置した水温センサーの温度をあまりアテにしないようにしましょう.設置場所によってかなり違う.

メーターパネル用の水温センサもある

ところで,水温センサはもう一つあります.メーターパネルでHとかCとか書いてある水温計用ですね.これは,エンジンの裏側にあることが多いです.AE100は左裏,ウォータインレットホース付近にあります.ウォータポンプの裏といった方がわかりやすいですかね.