ReadyNAS 1100 X-RAID で容量拡張失敗

ReadyNAS 1100 (SPARC系 NV+ とかと同じ)には X-RAID という特殊な RAID モードがある。
これは、基本的には RAID5 と同じような冗長構成なのだが、全てのディスクが大容量なものに交換されると、最後のディスク交換後に容量拡張を自動的に行ってくれるというもの。この機能は Linux で(今や)標準的に搭載されている、LVM 論理ボリュームとそのサイズ拡張コマンド resize2fs で実現されているようだ。
やり方は、

  • (ホットスワップ対応なので)動作中に突然ディスクを引っこ抜く。
  • 引っこ抜いたディスクを大容量に交換
  • 交換ディスクの初期化&再同期が完了したら、次のディスクも同じように引っこ抜く

である。(慎重にやりたいなら、一度電源をとめて、一台一台交換していってもいい。)
しかしながら、上記の手順で初期化に成功するも同期に失敗するという問題が発生した。

こんな問題が発生した

時系列にアラートを述べると、こんな感じ。

ディスク 取り外し イベントが発生しました。チャンネル: 1.
ディスク 故障 イベントが発生しました。チャンネル: 1.

故障したディスクをできるだけ早く交換してください。このディスクが冗長性のあるボリューム(RAID レベル1、5 または X-RAID)で使用されている場合は、ボリュームは非冗長モードで動作を継続しますが、2台目のディスクの故障が発生するとボリューム全体が使用不能になります。ディスクと環境に依っては、偽エラーが発生することがまれにあります。もし、偽エラーだと思われる場合はNASを再起動することにより、RAIDの再構築を自動的に開始します。もし、故障のメッセージが発生する場合には、ディスクを交換してください。
ディスク 追加 イベントが発生しました。チャンネル: 1.
ディスクの初期化を開始しました。予測される実行時間は17 時間 と 39 分です。初期化の終了後、メールにて通知されます。初期化の進捗具合の確認は Frontview の 「ボリューム」メニューの中の「RAIDの設定」のタブで確認できます。初期化中には電源を落さないでください。
ディスクの初期化に成功しました。
ボリュームの同期処理を開始しました。ボリューム:C.
ディスク 故障 イベントが発生しました。チャンネル: 1.

故障したディスクをできるだけ早く交換してください。このディスクが冗長性のあるボリューム(RAID レベル1、5 または X-RAID)で使用されている場合は、ボリュームは非冗長モードで動作を継続しますが、2台目のディスクの故障が発生するとボリューム全体が使用不能になります。ディスクと環境に依っては、偽エラーが発生することがまれにあります。もし、偽エラーだと思われる場合はNASを再起動することにより、RAIDの再構築を自動的に開始します。もし、故障のメッセージが発生する場合には、ディスクを交換してください。

再同期失敗のようだが、その後再同期しない。再起動してみると、青LEDがチカチカ点滅するだけで起動しない。背面スイッチをOFF/ONすると起動したものの、また初期化からやり直し。

原因はReadyNAS上でのイベント発生だった

原因はどうやらバックアップジョブが発生したためのようだ(バックアップジョブが走り始めた瞬間に再同期失敗エラーが出ていた)。
これは、想定できる問題じゃないだろうか…。しょうがないので、バックアップジョブを一時的に全て停止。停電などでUPSから停電信号が発生してイベント検知されても困るので、UPSへのUSB接続も切り離し。これでなんとか、最後まで完走した。

そもそも X-RAID は必要か?

エントリとは無関係なのだけど、X-RAID (今は X-RAID2か?)を使う必要はあるだろうか?
個人ユースで考えると、不要。ぼくも ReadyNAS 購入当初は大いに X-RAID に期待したのだが、下記の理由で今は X-RAID は不要だと思っている。

  • 大容量ディスクに交換するにしても、大容量ディスクが廉価になる頃にはその ReadyNAS 自体が古くなっていて、もはやパフォーマンスが良いとは言いがたい。
  • 同様に、その頃には ReadyNAS にしろその他の NAS にしろ、もっと高性能なものが廉価に出回っている。
  • X-RAID 容量拡張の間は無防備。吹っ飛ぶととても面倒くさい( NETGEAR のサルベージサポートはなかなか良いとは聞くが、それにしてもちょっと。)
  • そのうちHDDのHW/SW的な規格の変更やその ReadyNAS で識別不可能な HDD が出回ってきて、どちらにしろ大幅な大容量化は望めない。

特に、「ディスクが故障したら大容量なものにすげ替えていけば、いつかは容量拡張!」みたいな夢は捨てた方がよさげ。HDDは正直そう簡単に壊れてくれない。ぼくは自宅の ReadyNAS を5年以上使っているけれど、ディスク故障したことなんてない(今回はついに諦めてHDDを買ってきたくらいだ)。むしろ、ホコリのせいで ReadyNAS 本体のほうが不調なくらい。
他にも、X-RAIDFlex RAID5(普通のRAID5)より遅いとか、耐障害性がやや弱いとか言われているみたいだけど、それはまあそこまで気にしなくてもいいと思う。だから、X-RAIDで容量拡張して遊びたい!と思っているなら、X-RAID モードで動かしてもよいのだけど、あまり過度な期待は持たない方がいいと思うの。

ともあれ

1TBx4 = 3G ⇒ 2TBx4 = 6TB になった!