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あらすじ

喜平次(上杉景勝)の近従として寺に詰め込まれる与六(直江兼続)ですが,あまりの母恋しさに実家に帰ってしまいます.「実家に帰らせていただきます!」
しかし,母は家に入れてくれず,喜平次が迎えに来てくれたので,与六は寺に戻ることにします.そして,二人に友情が生まれる….意味がわかりません.いや,本当にこういう話だったんです!

今週の不満点

今週の不満はいくつかありますが,次のようなところでしょう.

  • 登場人物の心情がなぜ変化しているのかがわからない,雑なストーリー.(上記の例など)
  • 脈絡もなく,突然成長する兼続.子供編は景勝と兼続が出会うところを描きたかっただけなのでしょうか? だとすれば,上記の通り意味がわかりませんので,むしろ省いた方が良かった.
  • 香坂弾正が美童でない.

1573年の時代背景

さて,突然1573年にワープしてしまった天地人ですが,このころの日本の情勢はどのようになっているのでしょうか.各著名人がどうしているか覗いてみましょう.

  • 織田信長:
    • ようやく稲葉山城(旧岐阜城)を攻め落とし(1567年),尾張(名古屋周辺)と美濃(岐阜県)を手に入れました.
    • 1568年には,三好・松永に席巻された京都を取り戻してもらう約束でやってきた足利義昭を奉じて京都入り.
    • しかし,調子に乗った足利義昭と喧嘩中 ← いまここ
  • 武田信玄:
    • ここ十年くらい,ずっと上杉謙信川中島中.
    • 1570年頃,信長と喧嘩中の足利義昭から「信長包囲網」に加わらないかとオファーを受けたので,乗ってみることにした.
    • 1572年,とりあえず京都に向かうことにした.
    • 〜1573年,途上の徳川家康領(三河; 東愛知) 三方原にて家康を粉砕中だが,そろそろ病死する予定 ← いまここ
  • 上杉謙信:
    • ここ十年くらい,ずっと武田信玄川中島中.
    • ここ十年くらい,ずっと北条(氏康|氏政)と関東の取り合い中.

当時の人から見ると,「信長,終わったな…」という時代ですね.しかし,武田信玄が死ぬことで「信長死す」のシナリオは回避され,また,各国の戦力バランスが大きく崩れます.1573年は,戦国時代におけるターニングポイントの一つです.よく覚えておきましょう.

天地人作中にて,武田方武将の香坂弾正(春日虎綱)が,川中島合戦における武田方要城である海津城に戻ってきておりました.香坂弾正は三方原の戦いに従軍していました.戻ってきたということは,武田信玄はすでに死んでいるのでしょう.