ReadyNASの筐体交換とデータ復旧

持っていた ReadyNAS 1000S のファンにガタが来ていたため, ReadyNAS 1100 に交換しました.
データをそのまま使い続けるため,ディスクを丸ごと移植しました.ここでは備忘録として,メモを残します.

概要

ReadyNAS(Sparc系 (600/1000S/1100など)は Linux ベースです.しかも,データ保存領域 /c/* を含め /etc/* や /var/* も 全て RAID されたディスク側で管理しております.RAID の構造なども ディスク側で管理されます*1.したがって,移行する筐体同士で Firmware バージョンと OS バージョンが一致していれば基本的にディスク交換だけでデータを移行することができます.通常,Firmware バージョンが一致していれば,OSバージョンも一致しているようです.

用意したもの

  • ReadyNAS 1000S: これに入っているデータを設定も何もかも含めて ReadyNAS 1100に持って行きます.Firmware は RAIDiator-4.1.5.X-RAIDで利用していました.
  • ReadyNAS 1100: 新しい筐体.確かめもしませんでしたが,おそらく Firmware は RAIDiator-3.x系です.

移植手順

  1. ReadyNAS 1000S の電源を落とし,ディスクを抜きます.念のため,ディスク順序をちゃんと覚えておくこと.
  2. ReadyNAS 1100 の Firmware バージョンを一致させる.やり方は何でもよいが,今回は空きの SATA ディスクが無かったため,FrontView からでなく,TFTP でアップデート.*2
    1. TFTPブートの実行方法は? に記載のとおりにTFTP Daemon を用意する.
    2. 上記のFirmware焼き直しツールに付属の Firmware は古いため,公式サイトから ReadyNAS 1000S の Firmware と一致する Firmware イメージを取得する.ここではもちろん 旧筐体と同一のRAIDator-4.1.5 を拾ってくる.
    3. Firmware 焼き直しツールに付属の RAIDiator3 と RAIDiator4 の二つのファイルを削除.
    4. TFTP アップデートの場合,移植先筐体の元 Firmware が 3.x 系か 4.x 系かにより,取りに来るイメージファイルが違うようです.そこで,現時点での,移植先筐体の Firmware が 3.x 系であった場合は,RAIDiator-4.1.5 イメージを RAIDiator3 に書き換え TFTP Daemon と同一のディレクトリに配置します.一方,4.x 系の Firmware が入っている場合は, RAIDiator4 とリネームして配置します.
    5. あとは上記に記載の手順通りにアップデートする.
  3. ReadyNAS 1100 を工場出荷時設定に戻します.
  4. ReadyNAS 1000S から取り出したディスクを順序通りに ReadyNAS 1100 に挿入.
  5. ReadyNAS 1100 の電源を投入し,正常に動作していることを確認する.このとき,RAIDar ではしばらく ReadyNAS 1000S とマヌケな表示をしてくれますが,しばらくすると 1100 に変わります.

とりあえず,これだけでほぼ全ての機能が正常に動作します.

その他 Tips

  • EnableRootSSH 機能が正常に動作しなくなります.おそらく,ssh で利用する root パスワードが初期化されてしまったためです.EnableRootSSH を再インストールすると使えるようになります.

最後に

基本的に Sparc 系の ReadyNAS では基本的に同様の入れ替え作業は可能なのでしょう.適宜 ReadyNAS 1000S を入れ替え元筐体, ReadyNAS 1100 を移植先筐体と読み替えてください.
とはいえ,本文は私の備忘録に過ぎませんので,これを真似してデータが飛んだからといって,私を叱らないでくださいませ.

*1:具体的には Linux上で RAID(ソフト?ハード?)を構成し,それらを論理ボリュームとしてまとめているだけです.X-RAID で大容量ディスクに交換していくと RAIDされた論理ディスクの最大値が上がるのもこのためです.最初にRAIDボリュームを構成しておき,大容量化した時点で,余っている部分を別途RAIDボリュームとして定義し,LVMでマージして一つのディスクとして見せている.以上,知ったかな発言ですので,嘘かもしれません.

*2:ReadyNAS は ディスクが一つも挿入されていないと,起動できない./etc/* などが無いから.新規ディスクを挿入した時点で初めて/etc/以下を生成しているようです.ところで,新規ディスクってどうやって判定してるんでしょう?? 昔から ReadyNAS で遊んでいたのですが,あまり気にしたことはありませんでした.