ATFを交換

先日の続き.ドライブシャフトを抜くためにATFを抜いたついでにバーダルのATフラッシング剤 AF (AFO) を投入していたので,80km走行後オイルパン清掃&ストレーナを交換します.
車種は トヨタ AE100 カローラセダン AE100-AEPEK 平成6年6月初度登録.ATミッションは A240Lです.
斜め撮りしちゃってますが,ATFオイルパンです.修理書ではアンダーカバーLHを外すとなっていますが,外さなくても作業はできます.


オイルを抜きます.この時点で4Lほど抜けてきます.ドレンボルトは14mm.


10mmのレンチで18本のボルトを対角線上に抜いて,オイルパンを取り外しました.オイルを抜いた後でもパンの中には0.5〜1L近くATFが残っているので要注意.まずこぼすから下にはオイル吸着シートなどを敷いて置いた方がよいです.なお,ボルトを対角に抜くのは自重でオイルパンが変形しないようにするため.最後の2本を抜くときは気をつけましょう.ボルトを全て抜いた後は,自重で落下することもあるし,スクレイパーなどでこじらないと外れないこともあります.手元にスクレイパーなどを置いておきましょう.
オイルパンを取り除いた時点で,ATFはおおよそ 4.5L 〜 6.5L*1 抜けているはずです.でも,どれくらい排出したかはちゃんと計量しておきましょう.
取り外したオイルパンの接合部にはコルクガスケットが付いています.こいつは取り外したオイルパンとほとんど一体化しているので,スクレイパーでがんばって削ります.滅茶苦茶固いので,スクレイパーは鋭くかつ頑丈なものを選んでおきます.
オイルパンにはマグネットが3つ付いている…はずなのですが,なぜか2個しかありませんでした.どこいったの….前回交換のときに無くしたのかもしれません.さすがにATFに流されてどっかにいった…というのは考えにくいのですが.修理書を見ずに作業をしていたので,2個しかなくても疑問も持ちませんでした.真相は闇の中….なおマグネットはオイル管理はしていたのでほとんど汚れていませんでした.
オイルパンからコルクガスケットを取り除きますが,あまり神経質に落とさなくてもよいです.大事なのは,接合部に沿って盛り上がっている箇所(があるんです!)だけキッチリとむき出しにしてあげればまず大丈夫.後は極端にささくれている箇所がなければまずOK.神経質な人やコルクガスケットを剥ぎたくない人は,オイルパンごと交換すべし.


バルブボディとご対面.0年と9ヶ月ぶりですね.


真ん中についている銀色のフタ状のものがストレーナ.10mレンチで取り外せます.うち,一本はちょっと長めのボルトなので取り付け時には間違えないように.


New one.


古いのと比較.とはいっても,たかだか9ヶ月一万kmなので別に汚れていません.バーダルAFを入れた割に,ちょっと黒ずんでるくらい.まあ,それが鉄粉なんですけどね.新しいストレーナをバルブボディに取り付けておきます.


テカってて見えませんが,新しいコルクガスケット.


前回もつかったホルツの液体ガスケットです.


オイルパンをパーツクリーナーで清掃して,キッチンペーパーなどの毛羽のでにくいもので拭き取って清掃します.その後液体ガスケットを取り外したオイルパンの接合部にぺたぺた塗ります.でもこれはちょっと塗りすぎです….コルクガスケットを取り付けてオイルパンを取り付けたら,きっとあふれてしまうでしょう.でも,大丈夫.ちょっとオイルパンの内側にあふれたくらいなら,半日くらいしっかりと乾かせば,ATFごときで溶け出したりはしません.少なくとも前回あふれた分はオイルパンの底にへばりついていて取り除くのを諦めたくらい固まっていました.
オイルパンにコルクガスケットをのせ,18本のボルト穴も合わせたら,車体に組み付けて,対角で18本のボルトを取り付けていきます.対角,とはいっていますが,いきなりきっちりボルトを締めるのではなく,徐々に角ボルトを対角の順で締めていきます.このとき,力を入れて締めないこと.緩すぎで漏れるんじゃね…くらいでOK.漏れたらあとで締め直せばいいし,ちょっと緩くしていたほうが液体ガスケットが厚めにとりつくので,後日増し締めしたときのシール効果が増すくらいです.*2
本来,液体ガスケットは無くてもよいくらいなので(修理書には液体ガスケットを使えとは書いていない!),使用済みコルクを最低限落としてボルトの締め加減さえちゃんとしてれば,まず漏れないよ.なお,液体ガスケットは車体側の接合面には塗らない方がよいです.次回液体ガスケットの残骸剥がすのイヤでしょ?
オイルパン組み付け後,ドレンガスケットを介してドレンボルトを締めておきます.ガスケットは柔らかい金属で出来ていますが,金属がむにゅっとつぶれたら,もう1/4周くらい締めておけばそれでよいです.締め付けすぎるとたかくつきますよ!
この作業は液体ガスケットが固まる前に取り付けます.よく3分以内とか5分以内とか言いますけど,ホルツのガスケットは完全に硬化するタイプでもないので,あまり時間を気にせずにじっくり取り付けても大丈夫ですよ.10分くらいまでならたぶん大丈夫.


一晩たって,液体ガスケットが固まった頃,ATFを投入します.それに先立ち,まずバーダル ATC を入れます.


私の場合,ATFは4.7L抜けました.ATC が 0.5L なので,これに,4.2L の トヨタ オートフルード D-II を入れました.
実際には,4L 入れた後,COOL時の油量をゲージで計り,徐々に足し込み,最後にHOT時の油量で合わせるとよいでしょう.
まさかとは思いますが,念のためATF油量確認を書きますと,

  1. 車を平地におく(前輪ジャッキアップ中はNG!)
  2. エンジンをかける.
  3. シフトを,R,N,D,L2,L1,L2,D,N,R とゆっくり一巡させ P に.
  4. エンジンをかけたまま,ただちにレベルゲージで油量を計る.ATが暖まっていないときは,COOL の範囲に油量があることを確認.その後,実走行して,ATが暖まった後に,同様の操作で HOT の範囲に油量があることを確認.

油量が多すぎても少なすぎてもだめ.大きすぎるときは,レベルゲージなどから細いホースで吸い出すとよいでしょう.

A240Lミッションのオイル量は7.2Lです.今回の交換では,前回3.5L 抜いて,今回4.7L 交換しています.前回の交換でATF内に残った旧油は 1- \frac{3.5}{7.2} \simeq 51\%.そのうち,さらに1-\frac{4.7}{7.2}\simeq 34 \%が残ったことになるので,現在残っている旧油は\Big(1-\frac{3.5}{7.2}\Big)\Big(1-\frac{4.2}{7.2}\Big)\simeq 18\%.8割は新油に切り替わったことになりますね.前回いれた AFO も,1-\frac{4.7}{7.2}\simeq 34\%残っていることになるのが,ちょっと気持ち悪いですね.

シフトショックは特に変わらず.でも,レブリミット直前のシフトアップ時のショックがちょっと減ったかな? まだオイルが硬いから,というだけかもしれません.
ところで,こういう作業をやっていると,「ATFにホコリが入るとATミッションが終わる」みたいな話はフカシすぎだよなぁ…という感想を持たざるを得ませんね.はっきり言って,この作業は確実にATミッション内にホコリが入ります.液体ガスケットを使った日には多少なりともガスケットのクズが流れ込んでいくだろうし….でも,私のATミッションは元気です.髪の毛とか糸くずはともかく,ホコリぐらいでガタガタ騒ぐなよな,とちょっと思いました.まる.

*1:6.5Lは前回交換のときの実績.なんであんなに抜けたんだろ.今回は4.7Lです.ひょっとすると,ATミッションが暖まっていると抜けにくいとかあるんでしょうか?? 例えば,クーララインに掻き上げたATFが残っているとか….今回は車で買い物にいった後での交換なので,それなりにミッションは暖まっていました.あるいはフロントをジャッキアップしたままだったせい?? ちょっとよくわかりません.次回交換時は冷えている状態でやってみます.…一年後ですけど.

*2:いきなり強く締めたら,コルクも痛むし,せっかく塗った液体ガスケットも薄くなったりはみ出してなくなっちゃったりします.緩く締めて,漏れるようなら後日増し締めすればよいです.