そうだ,タイミングベルトを交換しよう #6 (完結編)

#1: id:Hie:20110728:1311853164
#2: id:Hie:20110730:1312035870
#3: id:Hie:20110731:1312078575
#4: id:Hie:20110802:1312296434
#5: id:Hie:20110807:1312729355
#6: これ

AE100 カローラタイミングベルトを交換しましたー.すごくつかれました.二度とやりたくない.
写真は作業の合間に手伝ってくれた友人Nくんがとってくれました.作業が佳境だったり,Nくんがさぼっていたりすると,ヌケがあります.
作業はトヨタ修理書 カローラ Vol.6 の手順に従っていますが,ところどころ無視しているところありなのでご容赦を.
AE100 のエンジンは 5AFE で,AE110 とか AE100G とかとほぼ同じです.

ちゅうい

部品名称は修理書に記載の用語をメインで使うことにします.誤解を生みそうな部品はパーツカタログの名称も併記します.
この作業ではインパクトレンチなどの高価(笑)な工具は出てきません.いや,高価とか以前にうるさいから都会では使えないというか.持ってるのは,2,000円級の9.5と12.7sqのラチェットハンドルのソケットレンチセットと,9.5sqのスピナハンドルだけ.ギアプーラくらいは用意したけれど,ほとんどのSST(笑)は自作.まあ,コレが裏目にでます.

前準備

  • ジャッキアップしてウマをかける.
  • エンジンアンダーカバー LH, RH を外す.すべて10mmレンチ.
  • バッテリーマイナス端子を外す.

ウォータポンププーリのねじを緩める

最初にウォータポンププーリのねじを緩める必要があります.ファンベルトを取り外してから緩めようと思うと,ウォータポンプがくるくるまわって取り外せなくなるからです.
こいつが結構くせもの.というか,最初から最後までウォータポンププーリに悩まされた気がします….この話は後述.
ねじは10mm頭のM8x20っぽいボルト4本です.ですが,取り外しには細心の注意を.非常に狭いところ+プーリのねじ部分が引っ込んだ箇所にあるため,カーブのついたメガネレンチしか入りません.ボックスレンチはおそらくむりです.最初は1000円5本セットの10mmレンチで挑んでいたのですが,これが失敗.ナメます.ただでさえ力が入りにくい箇所で,精度の悪い工具では太刀打ちできません.なめる前に諦めて,KTCの10mmメガネレンチを買ってきました.1480円也.ショートレンチでしたが,なんとか緩めることに成功.

ファンベルト各種を取り外します.

省略.id:Hie:20110424あたりを参照.

ウォータポンププーリ取り外し

緩めたねじを外します.これは簡単なのですが….プーリがとれません(笑)
修理書によると,あっさりと「ウォーターポンププーリー取りはずし(P/S付き)」と書いてあるのですが,ぶっちゃけ取り外すことは不可能です.というのも,ウォータポンプとボディの間が狭すぎてプーリを取り外すすき間がない(笑) 取り外しには,エンジンをかなり浮かせないと駄目でしょうね….
一瞬,「作業をやめるか…?」が頭を駆け巡りましたが,放置して先に進みます.

下に潜り込んでがんばる ぼくの図

ワイヤハーネス・ワイヤハーネスプロテクター取り外し

シリンダヘッドカバーを外すには,オルタネータからエンジン後方に抜けているワイヤハーネスとカバーであるプロテクターを取り外す必要があります.
まず,オルタネータに繋がっているワイヤを切り離しますが,オルタネータに引っかけてあるクリップもとても固い….でも,これはNくんが地道に外してくれました.このクリップだけ外してしまえば,後はゴムキャップ内の端子を10mmで緩めるだけで,ほかのコネクタはつけっぱなしでもハーネスをずらしてのけることができます.
次に,プロテクタを取り外します.10mmレンチ.二カ所で止まっているだけです.

レジスティブコード取り外し

いわゆるプラグコードを取り外します.
面倒なので,ディストリビュータからは切り離しませんでした.

シリンダヘッドカバー取り外し

ベンチレーションホースを2本外します.外れないときは,マイナスドライバで端っこを押しながら取り外します.
エンジン上の4カ所の袋ナットを取り外し,シールワッシャをはがします.これがまた固い!マイナスドライバ2本を駆使して取り外します.
シリンダヘッドカバーのすき間にマイナスドライバを差し込みカバーを取り外します.

エンジンオイルは交換しすぎなくらい換えてきたので,エンジン内はきれいです.まあ,このときは1,500km走ったオイルだったので色は濁ってましたけど.

A/Cコンプレッサとコンプレッサマウンティングブラケット切り離し

なぜA/Cコンプレッサ…と思われるかもしれませんが,A/Cコンプレッサの取り付けてあるブラケットに,A/Cベルトのアイドラがついており,この裏(というよりブラケットの裏)にタイミングベルトカバーのねじがあります.というわけで,ブラケットまで外す必要があります.

  • 別ルート: こちらでは,A/Cコンプレッサを取り外さず,オルタネータとA/Cベルトのアイドラを取り外して,タイミングベルトカバーにアクセスしています.…こうすればよかった….さらにこちらでは,AE110ではあるものの同じ5AFEエンジンでオルタネータ付きで交換されています.

車体に潜り込み,A/Cコンプレッサを切り離します.4本の長いボルトで繋がっています.狭いので結構大変….
取り外すと,A/Cコンプレッサが落ちてきますが,これには冷媒を流すホースがついています.こいつを痛めると冷媒液が抜けてクーラーがおじゃんなので,気をつけて,針金を使ってその位置で吊っておきます.正確に言うと,ブラケットを取り外すときのレンチの挿入場所を稼ぐために,できるだけ上部に持ち上げて吊っておくことが望ましいです.私はラジエターの上部から吊っておきました.
ブラケットは14mmレンチで取り外します.4本のボルトで留まっていますが,1本だけ長いボルトです.どこだったか覚えておきましょう.私は忘れて取り付け時に全部試す羽目になりました.

クランクシャフトプーリボルト取り外し

結局インパクトレンチも買わなかったので,スタータ(セルモータ)で取り外します.写真のように,レンチ(17mm)をあて,スタータを回します.大変危険ですので,とても緊張しました.

  • レンチサイズに合わせて当て木をする.
  • 頑丈なレンチに頑丈な17mmを取り付け,クランクシャフトプーリボルトにかける.
  • バッテリマイナス端子を一時的に取り付ける.
  • 一瞬スタータを回す.

なお,プラグコードは接続しません.というか,エンジン回ったら困るでしょ.あと,レンチは頑丈なものを選びましょう.私は,親父の持っていたスピナハンドルを使いました.9.5sqなので,ちぎれるかも…と思ったのですが,それ以外に選択肢がありませんでした.ま,一発OKでしたけど.ラチェットハンドルとかトルクレンチはやめた方がいいです.前者はラチェットの歯車が吹っ飛ぶ可能性,後者はトルクレンチの精度が落ちます.トルクレンチは,逆方向に回すだけで精度が落ちるくらいなのに,クランクシャフトプーリ外しに使うとかありえん(笑)
なお,5AFEエンジンは右回転です.

クランクシャフトプーリ取り外し

こんな事もあろうかと用意しておいたSST(笑)を使って,プーリを取り外します.難関の一つだと思っていましたが,あっさりと陥落.正直,全作業のなかでここが一番楽でした.
プーリにあいていある穴は調べておいたとおり,M8でしたので,M8ボルトを打ち込んで,プーラで引っ張ります.

タイミングベルトカバー取り外し.

上から順にNo.3, No.2, No.1 です.上から順に取り外します.共締めになっているところもあるので,どこが共締めか覚えておくとよいです.私はわすれて無駄骨を折りました.

タイミングベルトガイド取り外し

クランクシャフトから円盤を取り外すだけです.どっちが表か覚えておきましょう.

エンジンマウンティングインシュレータRH取り外し

エンジンを切り離します.木片を介して,ジャッキをつかってオイルパンを支えます.支えないと,エンジンがおっこちます.油圧ジャッキよりも,パンタグラフジャッキのほうが使いやすい気がします.できるだけ作業エリアが広くなるようにジャッキします.
エンジンマウントを切り離します.写真に見えているうちの,車体側の4本,エンジン側の1本のボルトを抜きます.それと,エンジンマウントインシュレータの裏側にある2本のボルトを取り外します.
覚悟してください,めちゃくちゃ固い.しかも狭い!
なお,裏側にある2本のナットは使い捨てです.この部分,取り付け時は特にしっかり取り付ける必要があります.

タイミングベルトに印を打つ

クランクシャフトタイミングプーリとカムシャフトタイミングプーリのズレは許されません.慎重に印を打ちます.
まず,クランクシャフトプーリボルトを再度組み付けて,17mmのレンチをつかって,右回転に回して,圧縮上死点に設定します.圧縮上死点は,カムシャフトタイミングプーリ(タイミングベルト最上部のギア)の星形のスポーク(?)にある印穴が最上部にあるときです.この印穴をのぞき込むと,エンジン側にマークがありますので,ここと合わせます.
それと,クランクシャフトタイミングプーリ(タイミングベルト最右下のギア)をみてください.ギアの右上あたりの,エンジン側にマークがありますが,ここでギア側フランジの刻印とゲージが0点で合っていれば,圧縮上死点になっています.
この状態で,カムシャフトタイミングプーリの最上部とベルトにチョークで印をつけます.同様に,クランクシャフトタイミングプーリのギアとベルトの接触面のどこかにチョークでマークします.
マークは別に刻印のところである必要はないですよ.二つのプーリの相対的な回転位置がわかればOKなのです.
また,ベルトには回転方向も念のため明示しておきましょう.
とりあえず,このマークさえしっかりしていれば,まず,タイミングベルト交換は失敗しません.圧縮上死点とか意識する必要なし.

タイミングベルトアイドラ取り外し

取り外しました.
これまためちゃくちゃ固い.10mmのレンチなのですが,これホントに10mmなのか…?ってくらい固いです.
インパクトレンチで挑んでいいレベル.
ここで,ボックスレンチ10mmを3つつぶしました.最後はやっぱりKTC.KTCばんざい!
ボルトも頑丈で,こいつはほとんどなめませんでした.
ベルト交換だけの場合は緩めるだけでOKです.

古い方のアイドラは,ちゃんと回るもののベアリングがすり減ってガタガタしていました.オイルポンプからちょっとオイル漏れしていたので,ベアリングもべとべと.ベルトは汚れてなかったのにナァ.

カムシャフトオイルシール(カムシャフトセッティングオイルシール)交換

ちょっと一息ついて,カムシャフトオイルシール交換です.

カムシャフトタイミングプーリ取り外し

カムシャフトの六角部(たぶん24mm佐喜真さんによると25mm?)にレンチをあて,カムシャフトタイミングプーリを取り外します.修理書ではカムシャフト側にモンキーレンチをあてていたので,私もまねしたのですが….これは危ない(笑) こういう外し方でホントにあってんの?? ってくらい固いし,万が一モンキー外れちゃうとシリンダが空転してバルブステムをへし折りかねません.(5AFEってバルブ非干渉だっけ?)
Nくんが必死にモンキーを押さえてくれましたので,なんとか取り外すことができました.

カムシャフトベアリングキャップNo.2取り外し

写真では,カムシャフトタイミングプーリとカムシャフトギアNo.2との間に隠れて見えませんが,ここにカムシャフトベアリングキャップNo.2があります.ねじ二つを外し,マイナスドライバ極薄でキャップを取り外します.
すると,カムシャフトオイルシールが半分飛び出した状態で残りますので,引っ張って取り出すだけ.これは簡単!

よく見ると,ちょっとオイルが漏れてますね.

カムシャフトオイルシール取り付け

まずは,内周部にシリコングリースを盛ります.キャッスルMPグリスNo.2が望ましいですが,私は適当に用意したグリスを塗ります.外周部には塗っちゃ駄目です.もりもり塗る必要はありませんが,内周部のヘコミを埋める程度に盛ります.
取り付けは簡単ですよね.

もじゃいとかいうな.

戻します

ベアリングキャップは,ブレーキクリーナで脱脂の上,キャッスルシールパッキンブラックを塗り塗りして,取り付けます.もちろんそんな液体ガスケット買ってなかったので,代用品で済ませました.
カムシャフトセッティングギアはやっぱりモンキーを使ってしめるのですが,規定トルクまでしめる前に,モンキーを持ったNくんが死んじゃいそうでした….

クランクシャフトタイミングプーリ取り外し

1700円プーラが大活躍.このプーラはたぶんストレートのギヤプーラー 薄爪タイプ 19-610と同一品じゃないかしら.
エンジン側のクランクシャフトタイミングプーリのカバーがちょっと邪魔でしたが,なんとか入りました.ツメがでかいとアウトですね….
…ここが最難関だとおもってたのになぁ….

赤マルは、タイミングベルト取り外し/取り付け時に、その位置を確認するための合いマークとなるキリカキ部分です.おぼえといてね.

クランクシャフトフロントオイルシール(オイルポンプシール)交換

タイミングベルトギアを取り外すと,クランクシャフトシールが見えます.こいつを引き抜くのですが….
こんな事もあろうかとかっておいた,シールピックは…折れました\(^o^)/
こともあろうに,シールに刺しているときに!!! その先は未だ行方知れずです….まさか,オイルポンプに落ちたんじゃ無かろうか….
結局,仕方なく,マイナスドライバで外周をこじこじして取り外しました.一カ所だけ責めるのではなく,まんべんなく責めるのがポイント.
ちょっとエンジンに傷ついたけど,いいや….よく見てないけどたぶんシャフトは元気なはず.
シールの打ち込みには30mmの塩ビパイプを使いました.あれー写真とったとおもったら,なーい.後述のプラグチューブガスケットの取り付けで使ったのと同じ塩ビパイプです.

ウォータポンプ交換

こいつに一番手間取りました.必死だったので写真はないです.
なお,ウォータポンプ単体交換だけするときも,タイミングベルトを外す必要があります.なぜって,ウォータポンプの右側半分がタイミングベルトの裏にめり込んでるから.ウォータポンプから水漏れすると,タイミングベルトも濡れる可能性があります.ジワジワ漏れるくらいなら,たぶん湿気だけで,タイミングベルトにはかからないと思いますけど.

正しいルート(P/S付き車)
  1. ウオッシャージャーを取りはずす。
  2. 木片などを介して,オイルパンをジャッキで支える。
  3. エンジンマウンティングインシュレーターRHを取りはずす。
  4. ボルト2個をはずし,エンジンマウシティングインシュレーターFRをメンパーから切り離す。
  5. ボルト4本を取りはずし,クーリングファンモーターASSYをラジエーターから取りはずす。
  6. ジャッキを操作して, エンジンASSYを持ち上げ,
  7. ポンププーリーを取りはずす。

らしい.エンジンを持ち上げてできたすき間から引っかかっててとれないウォータポンププーリを取り出せっての…?
ねーわ,とおもったので,正式ルートを無視して根性で作業することにしました.(おすすめしません)

ラジエター液抜き取り


赤とか緑とか混ぜてるもんだから色が汚いです….以前交換したのは10ヶ月前.

P/Sポンプのブラケットを取り外し

P/Sポンプとフルードリザーバの位置を固定しているブラケットを取り外します.P/Sベルトを緩めるときのねじとそのブラケットですね.
これで,若干すき間を稼げます.

ウォータインレットNo.2パイプごとウォータポンプを取り外し

ウォータポンプを3本のボルトを取り外して,切り離します.大量にクーラントが漏れます.
ウォータポンプからうにょりと出ている配管を取り外します(途中にウォータインレットホースあり).このとき,オイルレベルゲージも合わせて引き抜いておきます.ねじは,エンジン側の2本(+オイルゲージの1本),途中でハーネスを共締めしている1本で,ほかにその周辺にあるウォータテンパラチャセンダーゲージがあります.これも外します *1
また,インレットホースのクリップも外せたら,このとき外しておきます.外す,というより,ホース側にずらす,ですが….
ホース部分ははっきり言ってこの位置だと狭くて取り外せません.ひねって,ホースをずらしながらP/Sポンプのブラケットを取り外して開いておいた道を通して,ウォータポンプごと取り外します.

このとき邪魔をするのは,あの取り出せなかったウォータポンププーリ(笑) こいつが邪魔で取り出せないwww

ウォータポンプ取り付け

新しいウォータインレットホースを取り付け,クリップを引っかけた状態で取り付けます.クリップはまだ止めちゃ駄目!!

やっぱり,ウォータポンププーリが邪魔します(笑)

Oリングも取り付けるのですが,なんか,付属のOリングがでかいような…きが…しない…??なんか溝からちょっとはみ出してたけど,しめ込んでみました….漏るかもしれんね….漏ったら,諦めてプロにやってもらいます.もうあけたくない.

ウォータポンプまとめ

この修理書,嘘だろwww
ウォータポンププーリが車体に引っかかって外れないのがすべての元凶だよ!やっぱり正ルートを通るべきだったのか…?

オイルレベルゲージOリング交換

ウォータポンプの途中でやっちゃいますが,いちおう.

タイミングベルト取り付け

Nくんが帰ってしまったので,写真はしばらくなし.もう作業を始めて9時間です….

タイミングベルトを取り付ける前に,周辺を脱脂します.
新しいタイミングベルトとギア(交換する場合)を用意して,マークを転記します.一コマの狂いもなく転記しましょう.
新品のタイミングベルトアイドラを取り付け,新品テンションスプリングを取り付けます.アイドラにスプリングをつけてから取り付けると楽です.アイドラボルトを差し込み,アイドラがベルトに引っ張られてぎりぎり動く程度にまで締め付けます.ボルトゆるゆるすぎは駄目です.
ベルトを取り付けます.まず,カムシャフトタイミングプーリが再度(元々の)圧縮上死点の位置にあるか確認して,ベルトのマークをそれぞれのギアのマークと合わせます.特にベルトの右側の張りが重要です.ぶっちゃけここさえあってればよいです.
その後,クランクシャフトを17mmレンチで右回転し,ちょうど二回転させたところで,カムシャフトタイミングプーリの穴がエンジン側の刻印とあっていればOKみたいです,ってのは修理書読み間違えて,よくわかんなくなっちゃったからです(笑) まあいいや,と.
アイドラのボルトを締め付けます.375kgf・cm(35N・mくらい)で締め付ける…ってまじかよ!10mm頭のボルトなのに…! むりっす,たぶん,300kgf・cmくらいしかかかってないです.

タイミングベルトガイド取り付け

書くまでもないです.ひだのあるほうが手前です.

タイミングベルトカバー取り付け.

下から順に取り付けです.共締めがあるので注意.

エンジンマウンティングインシュレータRH取り付け

必死扱いてとりつけます.太いボルト3本と裏のナット(新品)2本は,本気で取り付けます.
取り付けたらジャッキを下ろします.

クランクシャフトプーリ取り付け

くるくるまわるので取り付けは至難の業です.あーあ,インパクトあればなー.私の用意した,プーリのボルトに鉄板を取り付ける作戦は失敗.板もボルトも曲がりました….でも,だいたいとまったし,諦めて自走してカローラで取り付けてもらいます….

A/Cコンプレッサとブラケット取り付け

がんばりましょう.この時点で作業開始11時間目.

プラグチューブガスケット交換

最後の大仕事…だとおもったのですが,意外とすんなり.
シリンダヘッドカバーの外側から頑丈なマイナスドライバを突っ込み,てこの原理でガスケットを押し出します.ここで,一カ所だけ押し込んでも外れません.まんべんなく外周を押しますと,あっさりと外れてきます.固着ではなく,ガスケットの鉄心が固い(変形しない)のです.
ガスケット打ち込みも塩ビパイプで楽勝でした.塩ビパイプにキリカキがありますが,これは,カバーに,ガスケットが万一抜けてエンジン内におっこちないようにするためのフックがついておりまして,この部分を避けてガスケットを打ち込むようにするためのものです.
いやあ,楽勝でした.5分かからなかったんじゃないかな.

そうそう,一つずつ交換していくといいですよ.最初から全部外してしまうと,どっちがリップ部かすらよくわからんガスケットなので,打ち込む向きを参考にするものが無くなってしまいます.これ,(素人目には)ホントにどっちが表かぱっとみわからんのです.プラグチューブは可動部ではないので,ほかのシールと異なり,シリコングリスは不要です.

シリンダヘッドカバー取り付け

シールワッシャをつけて,カバーを閉じます.シャフトが抜けているところなど,Rがついているところやシャフトのある周辺には液体ガスケットを塗布します.
キタコのTB1207Bを使いましたが,こいつはダメかもしれんです.なんか,一週間たっても(カバーからはみ出した部分すら)固まらないんすよ.こいつは固まったり固まらなかったりするらしいので,ここは大事なのでトヨタ純正のシールパッキンブラックを買った方がいいかもしれません.私は後の祭り後悔先に立たず(後悔後を絶たず?)なので,諦めました.そのうち,タイミングベルトの汚れ確認を兼ねて,シリンダヘッドカバーを開けようと思いますので,そのときにでもシールしなおしましょう.まあ,耐油・耐ガソリンだし,固まらなくても一定の効果はあるとおもいますけど….(追記2011/9月)

ワイヤハーネスとカバー取り付け

省略

アンダーカバーとかとりつけて完了!

しました〜.

総括

いやぁ,なんとかエンジンかかりました.しかし,うまくいったかどうかもあやふやでして,正直手を出すべきではなかったかなと思っています.いい工具がなかったということが拍車をかけています.
あやしいなーとおもってるところを列挙しますと,

  • ウォータポンププーリの固定ボルトをナメ気味,
  • カムシャフトベアリングキャップの取り付けが緩すぎる可能性(ガスケット塗った後,まし締めするつもりで忘れた)まし締めした,
  • シールピックの折れた先が行方不明あれから3,000km以上走ったけど何の問題もなし.仮に中に折損した先が入ってしまっていたとしても,たぶんオイル交換のときにでてしまったかフィルタが拾ってくれている,
  • タイミングベルトアイドラボルトのトルクが甘い気がする.一生懸命閉めた記憶がない….そもそも止めたっけ…?レベルという恐ろしさ(さすがに止めてると思うけど),
  • クランクシャフトプーリがちゃんと締まってない親切なトヨタカローラ山口大内御堀店の方が締めてくださった.しかも無料で!,
  • ウォータポンプのOリングサイズがあってないような気がする とりあえず,水漏れはしていない,

などでしょうか.やべーじゃん(笑)
んまあ,シールピックの折れた先が見つからないのはともかく,一番やばそうなのはウォータポンプのOリングでしょうか.ほかのところはそんなに分解しなくてもなんとかなるんですよね.ファンベルトを外せば,ウォータポンププーリのボルトなんてすぐに差し替えられるし,ベアリングキャップもシリンダヘッドカバー開ければいいだけ.タイミングベルトアイドラボルトも,じつは調整窓がありまして,ファンベルトを取り外した状態なら,外部から締め付けられるンす.
参考

でも,今のところ快調なんすよ.ベルトのぱたつき音などはないです.異常がでたら,まず,タイミングベルト周辺を疑う!そして,ちゃんと修理に出す(笑)

結論.いい工具とインパクトなしでタイミングベルト+ウォータポンプ交換に手を出すな(笑)
KTCレンチセット(10,12,14mm, それぞれ,変曲メガネ,ラチェットソケットハンドル9.5sq と 12.7sq)とインパクトを持っていれば整備書片手に挑んでいいです.あ,インパクトは10mmコマ用意してねw

ところで,タイミングベルト,たぶん一度交換してある.しかも,50,000kmあたりで….整備記録書にはなかったけど….というのも,クランクシャフトプーリが欠けていまして(笑)エポキシ系樹脂かなにかでカケた部分を埋めてるのを発見.ベルトも新しいし,シリンダヘッドカバーのガスケットや液体ガスケットは新しかった.えー…ってかんじ.


(おまけ; 2011/12/12書く) 工具互助会とかないのかね?

今回もそうだし,いつも思うのですけれど,一度しか使わないだろこの工具…みたいなのを,互いに貸し借りするコミュニティがほしいですねー.
本来そういうコミュニティはあるはずなのですが,AE100は車齢も立ってるしでコミュニティも枯れているし,そもそもぼくの回りには車(の整備)好きもいないということで,自分で揃える必要があったり.
今回使ったプーラとか,使いたい人がいれば,言ってもらえば貸すくらいはします.そういう方はコメントを残すなりしてくらはい.明らかに一度しか使わないのに,もったいない−!
ああ,東武東上線沿いで車仲間ほしいのう….

(おまけ)圧縮上死点の出し方

5A-FE エンジンの合いマークの見方を調べている人がちらほらいるようなので,いちおうメモ.

タイミングベルトがある場合

タイミングベルトが正しく掛かっていれば,合いマークの確認は簡単です.旧タイミングベルトが掛かっている状態で,

  • カムシャフトタイミングプーリのスポーク5本のうち1本にある5mmくらいの穴が最上位にある(穴を覗くとエンジン側の刻印が見える状態),
  • クランクシャフトタイミングプーリの円周上の刻印がエンジン側のゲージ0に合っている

状態なら,一番シリンダ(手前のシリンダ)は圧縮上死点です.
この状態で,プーリごとベルトに落書きをして,これを新しいベルトに転記して各シャフトを回さず同じようにとりつければ,OKです.

タイミングベルトが切れてしまった or 外した状態でカムやクランクシャフトを回してしまった

ご愁傷様です.これは結構難しいんじゃないでしょうか.私なら迷わずディーラにかけ込むレベルです.

クランクシャフトとカムシャフトのタイミングがずれているということは,バルブステムがピストンと干渉して折損(バルブクラッシュ)している可能性すらあります.7Aエンジンなどは,バルブクラッシュしないとかいう「ウワサ」を聞いたことがありますので,いくら独立にシャフトを回してもいいですが,5AFEも非干渉タイプかどうか定かではありません.(どっちなんでしょう? 私も知りたい.) タイミングベルトを外した状態でクランクシャフトを回してバルブクラッシュさせたところで,ちょっとバルブステムが曲がるくらいでエンジン全損とまではならないと思いますけれど,腰上オーバホールくらいにはなるかもしれませんね.

まず,4ストロークエンジンのおさらいをします.
4ストローク機関の場合,カムシャフトが一周回ると,吸気,圧縮,爆発・膨張,排気の全行程が1度行われますが,この間,ピストンは2往復しています.つまり,クランクシャフトは二回回っています.(だから,カムシャフトタイミングプーリの直径はクランクシャフトタイミングプーリのそれの倍なのです.径が倍なら円周長も倍です.)

エンジンの動きを厳密に規定しているのは,4つの機能を正確に管理しているカムシャフトです.これが一周すれば,確実に4本のシリンダは吸気,圧縮,爆発・膨張,排気を一度行っています.*2従って,カムシャフトの合いマークを合わせれば,カム(バルブステムを押して開弁させている出っ張り)は1番シリンダが圧縮上死点のときの,正常な位置にあるといえます.

ただ,ベルトが切れていたりする場合,カムシャフトを合わせたからといって,クランクシャフト側(ピストンの位置)が合っているとは限りません.クランクシャフトタイミングプーリを合わせたところで,一番シリンダのピストンが圧縮点(つまり一番上にある)ということしか保証しておらず,圧縮上死点なのか排気上死点なのかは分かりません.ピストンなんて上下運動しかないんだし,いーんじゃねーのと思われるかも知れませんが,一番シリンダは良くても,他のシリンダの位置(つまり位相)がずれてしまいます.

カムシャフト No.1, 2 を取り外して全てのバルブステムを引き上げた状態にすれば,クランクシャフト回してもたぶん大丈夫だと思いますが,ちょっと大変そうですよね.

ま,タイミングベルトがちょん切れました,みたいなことでもないかぎりここで悩むことはないと思いますけど.

その他参考サイト

  • ken001 さんのAE110のタイベル交換風景
    • うちのも参考にしてもらったようです.ありがとうございます.
    • カムシャフトの六角部のサイズ教えて〜とかぼくの言った無茶ぶりに答えていただいてありがとうございました(笑)

*1:ウォータテンパラチャセンダーゲージは93年5月までのAE100と,それ以降とで形状が異なります.古い方が四角くて,新しい方はまるっこい.ちなみに,ウォータテンパラチャセンダーゲージというのは,水温メータのための水温センサ.ECUが解釈している水温センサは別に,サーモスタットのところについています.コレを差さなくても走れるけれど,メータで水温があがってこないので,普通は車検にとおらないです.

*2:各シリンダでスタート時にどの位置にあるかは異なりますけどね.圧縮上死点にカムシャフトタイミングプーリを設定したなら,一番シリンダは圧縮→爆発・膨張の境界からスタートしますが,他のシリンダはその限りではないです.